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「世界一やさしい不動産投資の教科書1年生」 浅井佐知子(著)

 

不動産投資を始めたいが、どこから手をつければいいかわからない。本書では、そんな初心者でも、独力で不動産投資に成功できることを目標としています。

おすすめ

★★★★★★★☆☆☆

 

対象読者層

不動産投資に興味がある人、不動産投資を始めたばかりの人。

超初心者ではなく、初心者向けの本と思われます。経済や金融、税金のことなどをそれなりに知っていることが必要です。

 

要約と注目ポイント

不動産投資の本は多いが、初心者の役に立つ本は少ない。しかし、本書の目的はシンプル。

ひとりで「物件を選び購入し、その保有物件を適切に運営して、売却まで見通しつつ資金管理ができる」ようになることだ。

 

不動産投資の魅力

毎月の固定収入がある。給料以外の収入があることで、生活に安心感やゆとりが生まれる。失業や老後の心配が減る。

不動産投資は、しっかり学べばミドルリスク・ミドルリターンの投資だ。

不動産投資は、基本的にはインカムゲイン狙い。売却時に利益が出たら、さらにラッキー。(キャピタルゲインを得るには、不況時に安く買うなどの努力が必要。)

 

サラリーマンなら、赤字になった場合に給与所得を節税できます。また、経費となる毎年の減価償却費も、節税に効果があります。

 

不動産にかかるコスト

不動産にかかるコストの解説。

購入するときは、仲介手数料、印紙代、不動産登録免許税、不動産登記手数料、固定資産税、不動産取得税、各種保険料。(だいたい物件価格の10%と考えておく。)

保有しているときは、固定資産税などの税金、火災保険料、管理費、修繕積立金、PMフィー。

入居者が退去したときは、リフォーム費用、テナント募集費。

 

不動産投資で成功するには

失敗を避けるには、不動産投資の勉強をして、良い物件を選び、自分の資金力を超える投資をしないこと。

最初はワンルームや1Kの区分所有マンションから小さく始めて、知識と経験を積む。はじめはローンを利用せず、貯めたお金で購入する。

入居者が入りやすい、転売しやすい物件を探し、表面利回りが12%以上なら投資を検討する。

経費削減のやり方。

家賃を維持する(家賃を上げる)、空室をつくらない工夫。

5年後に売却することを考えて、物件を購入する。実際に売却するときのやり方。

投資を検討すべき地域や、物件のタイプとは。避けるべき物件とは。

購入したい物件が見つかったら、利益計算のシミュレーションをする。

 

不動産投資が初めての人向けの、大きな失敗(損失)を避けることを重視した解説です。

 

購入までの契約の流れ

賃貸借申込書や重要事項に係る調査報告書をチェックして、入居者や物件を調べる。

不動産買付証明書について。

ローンを組むときには。

売買契約時に必要なものや、確認しておくべきこと。

残金決済と物件引き渡しについて。

 

実際に購入を検討し、売買契約を結ぶときには、本書を流れに沿って読み返すとチェックリスト代わりに使えそうです。

 

不動産投資における資金管理

資金管理はとても大切。

購入前に、しっかりと物件の収支をシミュレーションしておく。さまざまな状況を想定して、自分で長期の利益計算をすることが、成功する大家には必要。

レントロール(賃貸借条件の一覧表)をつくって、保有している物件を管理する。毎月と毎年の収支を把握する。

毎年の収支を把握して、5年後以降の売却など、長期の戦略を考えていく。

 

経費や税金、空室率などを厳しく見積もっておくと、将来も安心です。

 

書評

「不動産投資に初めて挑戦したい」という人に、本書は適しています。経済やお金についての基礎知識があれば、不動産投資をよく知らなくても、一から学ぶことができます。

投資資金の大部分をローンで賄ったり、最初からアパート一棟、マンション一棟の投資を勧める本もありますが、本書はかなり安全志向です。

スタートとして、貯金で区分所有マンションを一戸買うことを推奨しています。そして知識と経験を積み、人脈等を広げたのち、規模を拡大していく戦略です。

ローンで不動産投資をしたり、一棟のアパートやマンションを建てる利点も理解できますが、まったく初めてなら、やはり区分所有マンションが出発点かな、とも感じます。

本書では、不動産を購入する時期が重要、という指摘もあります。不動産市況が悪いとき(不動産価格が安いとき)をじっくり待て、という教えです。不動産は高い買い物ですから、確かに買い時の見極めも大切です。

現在は不動産価格もかなり上がった印象です。不動産を買いたいなら、じっくりと勉強し、物件の相場観を養いつつ、気長にチャンスを待つのがいいかなと思います。
(書評2017/11/11)

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「いますぐプライベートカンパニーを作りなさい!」 石川 貴康 (著)

 

会社員が勤め先に頼ることなく、経済的に真に自立する方法を紹介する本です。

 

おすすめ

★★★★★★★☆☆☆

 

対象読者層

将来や老後のお金のことで、心配している人。
副業に関心がある人、もう副業をしている人。
不動産投資に関心がある人、不動産投資を始めた人。

 

要約と注目ポイント

日本の会社員の未来は暗い。給与は上がらないのに、負担する税金や社会保険料は上がる一方だ。

こんなつらい状況から抜け出すには、ただやみくもに働くだけではだめ。税金の知識を身につけ、プライベートカンパニーを使いこなし、不動産投資を行って、安定した豊かな生活を実現しよう。

 

これから豊かに暮らすためには?

不動産投資をすると、劇的に生活は変わる。(もちろん良い方に。)

子育てしている夫婦や、おひとり様の会社員などの例で、家計や資産がどう変化したかを見る。

 

お金の流れをコントロールする

まず、税金の基礎を知る。(収入や所得、控除などの説明あり。)

とにかく控除を使い切り、課税所得を最小化するように考える。そして可処分所得を大きくする。

 

可処分所得を増やすために、プライベートカンパニーを使う。何らかの事業を始めて収入を生み出し、さらに経費を計上して事業支出とする。この支出を課税所得側に付け替えて、課税所得を下げるのが基本。

 

控除を使い税金を減らす

扶養控除、医療費控除、生命保険料控除、地震保険料控除、雑損控除、住宅ローン控除、配当控除、ふるさと納税、災害減免法など、使えるものはすべて使う。

 

ただ、政府の政策が変わると、控除はなくなる可能性もある。お金を残す王道は、やはりプライベートカンパニー。

 

プライベートカンパニーを利用しよう

不動産投資がおすすめだが、趣味の延長など自分のできることで副業を始めてみよう。

法人でなくても、最初は白色申告でも青色申告でも良い。事業は何でも良いので、税務署に認められるように、それなりの規模で継続性のある実態にまで成長させよう。

白色申告、青色申告、法人についての比較や説明。

事業に関わる支出を経費にする。税金を引かれる前に事業支出として物が買える、という最大の利点を活かす。個人の支出も、事業に関係する割合に応じて、按分で経費にする。

プライベートカンパニーの損失は、自分の給与所得と相殺して、税金を減らせる(損益通算)。ただし、不動産所得・事業所得・譲渡所得(総合課税)・山林所得に限る。

家族に給与を払えば、課税所得を減らせる場合もある。

最後は法人化を検討しよう。信用力が上がり、経費化しやすく、損失の繰り越しも長くできる。相続税でも有利。将来は、法人税が軽減され、個人課税が強化されると予想される。

 

プライベートカンパニーを使いこなすことで、サラリーマンも税金の負担を減らし、実質的に豊かな生活を手に入れることができます。

 

プライベートカンパニーの実践例

妻(配偶者)に専従者給与を払う例。

妻(配偶者)をプライベートカンパニーの経営者にする例。

田舎の親をプライベートカンパニーの経営者にする例。

独身の会社員が不動産投資を事業化する例。

不動産投資を始めるなら、ワンルームマンションから練習すると良い。土地勘があり単身者が多い地域で、駅近の居住用物件がおすすめ。良い管理会社を探して長くつきあえれば、メンテナンスも楽になる。

そのほか、法人設立の例。

勤務先の会社は、あなたの会社ではない。勤務先は、あなたの人生に責任を持たない。自分で稼ぐ事業をつくり、豊かな生活と安心の老後を実現しよう。

 

現在の日本の税制だと、安定して給与をもらえる会社員は、不動産投資との相性が良いようです。

 

書評

普通のサラリーマンが、どうしたら余裕のある生活を送り、老後の心配をなくせるか?

給与は上がりにくく、税金や社会保険料の負担が増え続ける現在。がむしゃらに働くだけでは、お金を貯めたり、安心老後を実現するのは難しいです。

本書では、税金の知識を身につけ、何らかの事業を始めることで、税金の負担を減らし可処分所得を増やす方法を教えてくれます。特に、不動産投資について詳しく書かれています。

 

サラリーマンが法人化して豊かに暮らす、という概念は、「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ」橘玲(著)でも書かれているので、こちらの本も参照してください。

また、不動産投資をして節税をしながら、レバレッジをかけて資産を速く増やしていく点や、自分のビジネスを持てと強調する点は、「改訂版 金持ち父さん貧乏父さん」ロバート・キヨサキ(著)に通じるところもあります。

しかし上記の2冊より本書の方が、2016年の日本の会社員には、税制面でさらに適した解説です。資産運用に興味があったり、将来に経済的な不安を抱えている人は、読んで損はない本だと思います。

 

なお本書では不動産投資を勧めており、毎月給料をもらうサラリーマンには不動産投資が相性が良いと私も感じました。ただし、本書でも少し書かれていますが、税制は政治状況によってすぐに変更されます。

不動産所得の赤字を給与所得と相殺して税金を減らす、といった方法が永続的かは疑問です。日本の財政は極めて危険な状態に移りつつあり、どんな税制になるかは予断を持たない方が良いでしょう。

本書を読むと不動産投資を始めたくなります。私はこれからの日本の不動産に悲観的なのですが、それでも不動産投資をしてみたくなりました。

節税できるという視点ではなく、物件や土地自体が利益を生むと判断できる場合のみ、投資を検討したらいいのではないでしょうか。
(書評2017/10/29)

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「投資家のための金融マーケット予測ハンドブック 第6版」 三井住友信託銀行マーケット事業(著)

 

金融市場のさまざまな事柄を解説する、教科書的な本です。現役の銀行員が執筆しており、投資にまつわる広い範囲を勉強できるテキストです。

 

おすすめ

★★★★★☆☆☆☆☆

 

対象読者層

勉強熱心な個人投資家、金融関係の仕事を始めた社会人、金融業界へ就職希望の学生など。

 

要約と注目ポイント

この「投資家のための金融マーケット予測ハンドブック」という本は、日本人が金融市場を勉強するときに、割と定番なテキストのひとつになっていそうです。私は金融業界の人間ではないので、あくまで想像ですが。

20年以上もこのシリーズは刊行され続けているので、こういう本を必要とする人が少なくないのでしょう。私は第5版も読みまして、勉強させてもらいました。読み通せば、確かに読了した分だけ賢くなります。

専門家には常識でやさしい本ですが、勉強したい新社会人や学生、個人投資家には良い本だと思われます。

第5版の書評記事はこちら ⇒ 「投資家のための金融マーケット予測ハンドブック 第5版」 三井住友信託銀行マーケット事業(著)

 

解説されている事柄について

本書は、金融市場や投資について、すごく広い範囲をとにかく堅く説明していきます。そのため、要約は書けません。読み通して自習する本です。

どういう内容について解説されているかをまとめました。

 

金利や為替の予測をするには。

  • 金利の概要。
  • 予測をするための理論(理屈)。

 

日本経済について。

  • 過去の景気循環。
  • 日本の経済統計や指標。
  • 日本の金融政策と金融統計。
  • 日本の金融市場。

 

米国経済について。

  • 過去の景気循環。
  • 米国の経済統計や指標。
  • 米国の財政収支。
  • 米国の金融政策。
  • 米国の金融市場。

 

ユーロ圏経済について。

  • 統一通貨ユーロや欧州債務危機の解説。
  • ユーロ圏の経済指標。
  • ユーロ圏の金融政策。

 

英国経済について。

  • 英国経済の概要。
  • 英国の金融政策。

 

オセアニア経済について。

  • オーストラリアの経済と金融市場の概要。
  • ニュージーランドの経済と金融市場の概要。

 

新興国経済について。

  • 中国の経済と金融市場の概要。
  • インド、ロシア、ブラジル、アセアン(インドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム)各国の経済の概要。

 

商品市場(コモディティ)について。

  • 商品市場の概要。
  • 原油について。
  • 金について。

 

為替市場について。

  • 為替市場の概要。
  • 為替需給について。
  • 為替レートの決定理論について。
  • 国際通貨制度の歴史と概要。
  • 各国の為替政策について。

 

テクニカル分析について。

  • テクニカル分析の概要。
  • テクニカル分析の方法論。

 

以上のような内容を、地味に解説していきます。本書では、2015年後半までの市場動向が反映されているので、割と直近までの金融市場に関して、基礎知識を勉強できます。

 

書評

私はこのシリーズの第5版も読みましたが、難易度や、ターゲットとなる読者層についての感想は、第5版と同じでした。

勉強熱心な個人投資家や、これから金融業界で働いていこうというレベルの学生や社会人にちょうどいい本です。現在の金融市場と関わるにあたり、広くざっと勉強したい人に適しているでしょう。

投資や経済に興味のない、日常生活が忙しい普通の人が読むには内容が多く、濃すぎます。500ページもありますし。普通の人が金融リテラシーを身につけたいときは、もっと易しめの入門書が良いと思われます。

本書はとにかく堅くて真面目なのですが、最後のテクニカル分析の章だけは、山師的要素も盛り込まれています。このへんも楽しめる人は、楽しく読めるでしょう。

 

個人的な感想としては、第5版を読んだときより、知識が増えていることが実感できました。解説もすんなり頭に入りやすく、既に知っている事柄も増えていたので、前作を読んでから金融知識は蓄積されたんだなと思いました。

当ブログの書評にもあるように、この3~4年で経済や投資などの本を、100冊くらいは読んでいます。確かに知っていることは増えました。

ただ残念なのは、別に投資で儲かるようにはなっていないことですね。特に、自分が勝手に相場見通しを立て、投機的なトレードをした収支については、まったく儲かっていません。

2009年以降は基本的にずっと上げ相場だったので、何も考えずに保有している株式指数連動のETFに、自己売買の成績は完敗です。
(書評2016/11/24)

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2016年元旦の日経新聞。経営者の株価予想を今読み返す。

2016年1月1日。20人の大企業経営者の日経平均株価予想とは?

毎年、夏以降に相場が荒れてくると、その年の正月の株価予想ってどんなものだったか、気になります。でも、だいたいその時点では忘れてしまっています。

 

それ以外でも、自信満々なアナリストが、数カ月前(場合によっては数週間とか数日前)にどんな予想を述べていたのか、覚えておいた方が良いなと思うことがあります。

ものすごく自信ありげな態度で予想をし、結果が大外れでもまったく反省しないアナリストは多いです。そういう人に惑わされないように、外れても謝らないアナリストは、最初から無視した方が良いですね。

 

さて、今日の本題ですが、経営者による元日の株価予想です。今年は、1月1日の日経新聞をわざわざ残しておきました。他人の株価予想を聞くことの無意味さや、自分の予想が外れることを前提に投資行動をとるべきだ、といったことがわかります。

 

 

20人の文殊の知恵。最高値24000円。最安値17000円。

誰の予想が当たったとか外れたとか、そういうことを言いたいのではないです。(まあ全員外れているのですが。)経営者の実名を挙げて、予想結果とすり合わせることはしません。

 

ただ以下のように、日本を代表する大企業の経営者20人の予想です。素人ではないはず。

アサヒ、セコム、三越伊勢丹、伊藤忠、信越化学、三菱地所、SMBC日興証券、三菱ケミカル、富士フイルム、TDK、日本ガイシ、ユニ・チャーム、ダイキン工業、東京海上、日本電産、味の素、大和ハウス、大和証券、カルビー、富士重工。

 

下の表は、2016年の日経平均株価の、最高値と最安値予想です。その時期も予想しています。20人分です。

最高値(時期) 最安値(時期)
22500(12月) 18500(5月)
22000(12月) 18000(9月)
22000(10月) 18000(1月)
21000(5月) 17000(1月)
24000(12月) 18000(4月)
22000(12月) 18000(9月)
22500(11月) 18500(5月)
22000(12月) 18000(5月)
22000(6月) 18000(2月)
22000(6月) 18000(11~12月)
23000(12月) 18000(3月)
23000(12月) 18000(2月)
22000(8月) 18000(3月)
22500(6月) 17000(10月)
22000(11~12月) 18000(1~2月)
22000(12月) 18000(1~3月)
23000(6月) 18000(2月)
23000(7月) 18000(10月)
22500(12月) 19000(1月)
21000(7月) 18000(12月)

 

2016年5月17日終了時点で、日経平均株価は16600円ほどの水準です。今のところ、最高値は1月4日(初日です!)の18951円、最安値が2月12日の14865円です。

少なくとも最安値については、20人の経営者全員はずれです。

 

正月から不景気な予想はできないでしょうが‥‥

一応フォローしてみると、おめでたい元旦早々、安値の予想をして、「今年は不景気になる!」と主張するのは気が引けるでしょう。世間に先行き不安感を与え、景気にも悪影響ですし、自社の社員の士気も下がります。

株価の下落を予想するということは、政府の経済政策が失敗すると言っていることと同義なので、こちらも躊躇します。政権や政府に対し、率先して喧嘩を売ることになるからです。

まあそういう大人の事情で、楽観的な予想を出したくなるのでしょう。あと気付くのは、年後半に高値が来ると予想した人が多いことです。これは、2015年終盤の雰囲気のまま、予想をしたのだと思います。

 

予想はその時点の空気に流される

だいたい、アナリストとかストラテジストの予想も、その時点の雰囲気や空気に沿ったものになりがちです。

相場が急落したときには、「専門家に聞く下値のめど」のような記事が必ずありますが、それを1週間後にあらためて読むと、ほとんどはずれています。

逆に相場が堅調で、じり高が続いているときに今後の見通しを聞くと、相当な高値を予想しますが、それもかなり怪しいです。

 

 

株価予想の教訓は、当たらないと知っておくこと。

そういうわけで、今回の記事の教訓は、

「株価予想は当たらない。他人の株価予想は無視せよ。自分の先行き予想も当たらないことを前提に、リスク管理して投資しろ。」

ということです。

株式市場や金融市場がどうなるか、あるいは個別銘柄がどうなるか、こういった予想は当たらないと認識しましょう。予想が当たることもありますが、外れることを前提にリスク管理をしましょう。最大損失額こそ、予測しておくべきです。

 

最大損失額をコントロールする

今の自分の総資産(総資金量)、何にいくら投資しているかを把握しておくのが重要です。株価予想をするより、自分のリアルな資産状況を知っておくことの方が大切ですね。

そのうえで、自分がどれだけの損失なら受け入れられるか。株式市場が50%暴落するなど、最悪の場合に保有するリスク資産はどれだけ減るか、それに耐えられるか、そちらを予想するべきです。

逆に言うと、リスク資産への投資比率をコントロールできれば、かなり穏やかに暮らせます。自分で受け入れられる範囲内に損失が収まれば、納得できます。私はあまり損切りは使わず、レバレッジを低くする方向でやっています。

 

 

個人的には、日本株からは撤退しました

最後にどうでもいい個人的な話ですが、私は日本株投資から、ほぼ撤退しました。世界全体の株式市場にインデックス投資する、というのもやっていますので、TOPIX連動のETFなどはお付き合い程度で買っています。でも、積極的に日本株を買うのはやめました。

これは、今後の日本株が下がると思うから、ではなくて、政府の介入が多くなってきたためです。政治が介入してくるので、日本株への興味がほとんどなくなりました。

最近は、日本の株式市場の売買代金が落ちているようです。個人投資家や中長期の機関投資家は、けっこう離れてしまったのではないでしょうか。これだけ公的年金や日銀などに、滅茶苦茶に市場を荒らされると、うんざりしてしまいます。

 

国家資本主義下の市場には参加したくない

私はこれまで、まったく中国株やロシア株に興味がなかったのですが、それは政府が大株主だからです。政府が政治的要因で企業に直接介入する、そういう株は買いたくありません。残念ながら、日本株もだんだんそうなってきています。

4月に、日銀が追加緩和するかどうかで騒ぎになりました。追加緩和策の有力な候補で、ETFの買い増しというのもありました。日銀が1年で10兆円のETFを買う、とゴールドマンサックスの人が言い出して、私はびっくりしました。

 

4月は見送りましたが、いずれETFも日銀が買うのでしょう。

どうなんですかね、日経平均株価の採用銘柄になるような日本の上場企業は、超大企業ばかりですが。そんな会社の筆頭株主が日銀、2番目の大株主が公的年金、3番目がゆうちょ銀行、4番目が財務大臣。

そんなふうになって、日本は資本主義国家ですか?国家資本主義の統制経済ですか?私は、国家資本主義の統制経済に支配された会社の株は、買いたくないんですねー。

 

そういうわけで日本株は、お付き合いとして、TOPIX連動ETFを低比率で買うだけです。あとは、日経平均先物のミニを、低レバレッジで売買して遊んでいます。

投資を始めるあなたが年始に読むべき本 第3回 安定運用編

投資と投機の違いは何か

Invest

第1回の家計編、第2回の資産配分編をこなし、投資の用意ができました。

今回は、投資を始めたばかりの人に適した、標準的な安定の投資を説明していきます

(残念ですけど、「安定の」という言葉は、別に損をしないことを意味しません。投資の方法として確立していて手堅い、という意味です。)

その前に、ちょっとだけ投資と投機の違いについて、私の考えをお話しします。

 

投資とは、事業にお金を出して利益の一部をもらうこと

投資とは何らかのビジネス・事業に出資して、その事業から生まれた利益の一部をもらうことだと、私は考えています。

例えば、株を買うというのは、その会社の所有権の一部を買うということです。

株を買うことで、その会社が行っているビジネスの権利の一部を持つことになります。そして、そのビジネスを続けることで発生する利益を、権利の分だけもらいます。

不動産投資など、その他の投資も同じです。

オフィスビル、マンション、ショッピングモールなどの不動産にお金を出して、そこから生まれる賃料や売却益をもらうのが投資です。

 

投機とは、自分で資産を売買して差益をねらうこと

投資とは、ビジネスにお金を出して参加して、利益の一部をもらうものだと言えます。

それに対し投機とは、自分の裁量(考え)で資産を売り買いして、その差額から利益をあげようとする行為だと思っています。

例えば、株を買うにしても、インバウンドとかロボットとか人工知能とかバイオとか、流行りの株が急激に上昇すると自分で考えて、パッと買ってサッと売る、みたいなのは投機です。

アメリカの雇用統計が好調と考え、指標の発表時間直前に米ドルを買い、発表3分後に売る、なども投機と考えます。

投機は、ビジネスに参加するのではなく、資産の値動きから自分で売買して利益をあげよう、ということです。

 

ビジネスにお金を出して参加するのが投資、と定義します

これから投資という言葉を使うときは、ビジネスにお金を出して参加し利益をもらう、という定義で進めていきます。

私は別に、投機を否定していませんけどね。

投資が偉くて、投機が劣っているとかは、言いません。

投機で儲けるのはとても難しい、とは思います。

 

それでは、どういうかたちでビジネスにお金を出して参加すればいいか、考えていきます

(おすすめした本は、当ブログ内の書評記事にリンクしています。)

 

最高の投資のかたちとは

投資とは、お金を出して事業に相乗りし、利益の一部をいただく行為です。

次に考えるのは、

どういうかたちで事業にお金を出していくのが良いのか?

ということです。

 

歴史上、最強の投資は株式

何かのビジネスに加わって、そのビジネスの活動から利益をもらい続けるのですから、投資は長い時間がかかります。

少なくとも5年、10年、20年は続けるつもりで、投資を考えます。

働いている間、国民年金でも厚生年金でも掛け金を払い続けます。その掛け金は、20代から60代まで、ずっと投資され運用されています。

自分が投資をするときも、数十年間かけて年金を育てるように、投資をします。

 

数十年という単位で投資を考えていくなら、答えはひとつです。

最強の投資は、株式投資です。

歴史のデータで見れば、株式に投資することが、100%の正解です。

圧倒的な正解です。

 

未来は何が起こるかわからないので、歴史上のデータがそのまま使えると断言できる人は、理屈では存在しません。

だから私も断言できませんが、それでも株式投資が最強と考えます。

 

過去50年、100年、200年。

第一次世界大戦があっても、大恐慌が来ても、共産主義革命が起きても、第二次世界大戦が勃発しても、オイルショックがあっても、高インフレが来ても、デフレが来ても。

株式投資が最強でした。

株式投資をすると、長い目で見れば、年利5~7%ぐらいで資産が増えることが期待できます。

株式投資は、預金や債券に投資した場合に比べ、大きく勝ちます。

長期的に株式投資するのが、最も結果が良い。そのことをデータを使って説明している本が、

「株式投資 第4版」

です。

過去200年(!)のアメリカの株式市場を調べて、平均7%程度の利回りがあったことを示します。アメリカだけでなく、他の主要国も研究しています。

そのほかにも、歴史的に株式投資が最も利回りが高いと教えてくれるのが、

「敗者のゲーム 第6版」

です。

 

広く世界に投資する

株式に投資するのがよいことはわかりました。

では、どのように株式投資を始めるか?

 

分散投資という言葉を、耳にしたことがあるかもしれません。

投資が成功するか失敗するか、結果を考えるときに、リスクリターンという数値を使います。

リターンというのは、年間の利回りと見ればいいでしょう。

例えば、株価が1年で10%上がれば、10%の利回りがあった投資。

株価が1年で5%上がり、配当金として株価の1%分もらえたなら、6%の利回りがあった投資。

リスクとは、値動きの確率と考えます。

世間では危険という意味で、リスク、リスクと言いますが、投資では値動きのことです。

現在の資産の価格から、大きく上にも下にも動きやすい場合は、リスクが大きい。

資産の価格が変動しにくい場合は、リスクが小さい。

と考えます。

 

良い投資とは、リターンが大きくて、リスクが小さいことです。

期待できる利回りが高いけど、資産の値動きは小さめ、という意味です。

 

そんなに都合のいい話はないのですが、ここで分散投資が出てきます。

投資の対象を増やしていくと、リターンの大きさを変えないで、リスクを下げることができます。

投資対象を分散すると、利回りを高めに保ったまま、資産の値動きがゆるやかになるのです。

 

単純な例で言えば、1社だけに投資するより、5社に投資した方が良いわけです。

ユニクロ(ファーストリテイリング)だけに投資するより、ユニクロと三越伊勢丹、しまむら、ライトオン、ユナイテッドアローズの5社に分けて投資した方が、結果は良くなります。

(もちろんユニクロだけが圧倒的に利益が多い、なんて場合はユニクロ単独の方が良い結果になりますけど。)

 

業種内だけでなく、業種ごと、さらには国ごとに分けて投資すると、リターンを高くしながらリスクを下げることができます。

まとめます。

日本だけでなく世界の主要国で、数多くの会社の株式に投資することが、最も良い投資法です。

 

株式投資で何を買うか

いろいろな国の、さまざまな会社の株式に投資する。

ついにここまできました。あと少しです。

何にお金を出して、買えばいいのでしょうか?

 

広く投資できるのは投資信託かETF

いろいろなところに広く投資する、という目的に最も合うのが投資信託とETFです。

ETFは投資信託の変化球みたいなものですから、多くの国の株式を対象としている投資信託を買えばいい、と言えます。

(第2回で投資信託を説明して、おすすめの本をあげました。)

グローバルに株式投資をしている投資信託を探します。

 

手数料と管理費用が安い投資信託を選ぶ

投資信託を調べてみると、とんでもない数が存在します。

試しに、金融情報を提供するモーニングスターで投資信託を検索してみると、5028件ありました。

今探している株式投資の範囲で見ても、日本株式型で771件、国際株式型で1003件の投資信託がありました。

こんなにたくさん、比較して選べないよ!

と思いますけど、ほとんど投資信託は、比較して検討する必要すらありません。

 

購入時の手数料が安い、というかゼロのもの。

毎年かかる費用(運用管理費用とか信託報酬などと呼ばれます)がとにかく安いもの。

信託財産留保額が安いもの。

 

特に、毎年かかる費用が安いものを選びます。

1年あたりの費用が0.5%、1%ちがってくるだけで、10年後や20年後の金額がかなり差がつきます。

投資信託を探すなら、信託報酬を安い順に並べるだけです。

 

選択はインデックスファンド

信託報酬を安い順に並べると、××インデックスファンドとか、××連動型上場投資信託というのがずらずら出てきます。

インデックスファンドとは何ぞや?

と思われるかもしれません。

 

詳しくはおすすめの本を読んでいただきたいですが、簡単に言えば、株式市場などについている価格の指標と、同じように値段が動く投資信託です。

 

わかりやすい例だと、日経平均株価という指標があります。

毎日のニュースで、日経平均が上がった下がった、と言っています。

この日経平均株価は、日本の代表的な225社の株式を集めた指標です。日経平均株価と同じような値動きをする(連動する)投資信託を買えば、この日本の大企業225社の株式に投資したことになります。

 

一例として、「SMT 日経225インデックス・オープン」という投資信託を1万円分買うと、日経平均株価に使われている225社に1万円投資したことになります。

225社が利益を出して株価が上がれば、日経平均株価が上がり、同じ割合でこの投資信託の値段も上がります。
 

なぜインデックスファンドがいいのか

インデックスファンドという種類の投資信託が、なぜいいのか?

信託報酬の安い順に並べたときにもわかりましたが、とにかく費用が安い。毎年かかる費用が安ければ安いほど、長い期間の結果は良くなります。

さらに、安かろう悪かろうではない。

投資信託の過去の成績というのは、調べることができます。それでみると、インデックスファンドの結果は、投資信託全体の平均より上の成績になります。いつもそうです。イメージとしては、成績は中の上か、上の下といった感じです。

 

投資信託を選んでみる

世間的には日経平均株価が有名ですが、実際に日本の株式市場に投資するときは、トピックスという指標の方が使いやすいです。トピックス(東証株価指数)は、東証一部に上場している会社の株価の指標です。

日本の株式に投資するときは、かかる費用を比べながら

「SMT TOPIXインデックス・オープン」などを選びます。

証券口座の扱いにも慣れてきたら、ETFならもっと費用も安いので、

「MAXIS トピックス上場投信」などを買います。

投資の対象は広い方がいいですから、外国も入れましょう。

先進国の株式にまとめて投資したければ、

「eMAXIS 先進国株式インデックス」のような投資信託を選びます。

ETFならもっと費用は安いので、

「上場インデックスファンド海外先進国株式」などがいいでしょう。

世界全体までまとめて投資するなら、

「eMAXIS 全世界株式インデックス」という投資信託を買ったり、

「上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本」というETFが買えます。

 

投資信託はどういう割合で買うのか

世界各国の株式に、インデックスファンドというかたちで分散投資する。

ということで、とりあえず投資の結論は出ました。

あと、どの国の株式にどれだけの比率でお金を割り振ればいいか、というややこしい問題もあります。ですが、その面倒な問題は、範囲の広いインデックスファンドを買うことでどうにかしましょう。

 

私も勉強させてもらっている山崎元氏の本によると、日本とその他の先進国への投資の比率は、ざっくりと半々、50%と50%ぐらいでいいそうです。

これはリスクとリターンの関係から計算した結果です。この結果に従えば、日本株式のインデックスファンドを50%のお金で買い、先進国株式のインデックスファンドを50%で買うことになります。

 

なお注意として、先進国株式のように広い範囲の投資信託では、日本株式を含まない場合と含む場合があります。

含まない方が多いと思いますが、複数の投資信託を合わせて買うときは、説明をよく読みましょう。自分が想定した投資の比率と、ずれてきます。

 

日本と外国、半々で投資してもいいと思いますが、私は長期では日本の株式に弱気です。

世界全体の株式市場の時価総額から見ると、日本はその10%弱です。そのあたりも考えて、私は日本とその他の国の投資比率は、10~20%対80~90%ぐらいでいいかなと思っています

 

株式インデックスファンドを買うのに役立つ本

インデックスファンドで株式投資をすればいい、という結論ですが、勉強できて投資に役立つ本をあげます。

何回か紹介していますが、投資信託とは何か、インデックスファンドとは何か、ということからやさしく解説しているので、はじめに読むといいでしょう。

「一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門」

「新・投資信託にだまされるな! 買うべき投信、買ってはいけない投信」

なぜインデックスファンドがいいのかを、説明した本です。何度も改訂されている、有名なベストセラーです。

「敗者のゲーム 原著第6版」

「ウォール街のランダム・ウォーカー 原著第10版」

日本人が国内で投資するなら何がいちばん良い方法か、という視点で書かれています。普通の日本国民に役立ちます。

「全面改訂 超簡単 お金の運用術」

「全面改訂 ほったらかし投資術」

リスクとリターンの関係、資産配分の理論(投資信託の組み合わせ方)が勉強できますが、やっぱり難しいです。

「資産運用実践講座Ⅰ 投資理論と運用計画編」

「資産運用実践講座Ⅱ 株式投資と金融商品編」 

 

まとめ

投資は、株式のインデックスファンドを買えばいい。

終わり。

終わりですが、でもまだ、いつ、どこで、いくら買うか?という問題が残っています。

次回は資産管理編の予定です。

投資を始めるあなたが年始に読むべき本 第2回 資産配分編

何に投資できるのか

Portfolio

第1回の家計編で、

  • 家計を黒字にする。
  • 資産と借金を把握する。
  • 将来の大きな出費を知る。

という準備を済ませました。

それではついに投資を始めるか、と前のめりになりますが、そもそも、何に投資するのでしょうか。

 

ここでいきなりトヨタ自動車の株を買おうとか、分配金の高い投資信託を買おうとせず、投資対象を知りましょう。

(おすすめした本は、当ブログ内の書評記事にリンクしています。)

 

投資できるものを知る

なかなか金融商品を買うという段階に着きませんが、これでいいのです。

自分でわかっていないモノに、儲かると思って大きな金額をかけることほど、損失を出しやすい状態はありません。

 

ひとまず、普通の人が投資しそうな対象をすべて見てみましょう。

日本 外国 地域別 特徴別
預金
定期預金など
株式
債券
不動産(実物)
不動産(リート)
資源など

 

とりあえず、今から投資を始める人が関係しそうな対象を、色付けしました。

 

私の経験では、こんな感じで分類すると理解しやすかったです。

表の内容について、簡単に説明しておきます。

 

1行目は、投資対象の国を表します。

「外国」の欄は、アメリカや中国など、特定の1つの国に投資するという意味です。

「地域別」は、先進国まとめてとか、新興国全体とか、世界主要国すべてといったくくりです。

 

「特徴別」は、企業の大きさとか、業種で分けたものです。

大企業を集めた大型株の何やらとか、中堅企業を集めた中小株の何なにとか、金融業・不動産業など業種別の株を集めたものとか。

そのほかにも、環境に配慮した企業に投資するとか、女性が活躍する企業に投資するみたいな、テーマで投資対象を絞るものもあります。

投資に詳しくなったら、企業の大きさや業種別で選んでもいいですが、今のところは放置でいいでしょう。テーマで投資をするのは、あまり有望ではありません。

「特徴別」で売っている金融商品はたくさんありますが、ひとまず相手にする必要はありません。そういうことで、「特徴別」の列はすべて白です。

 

縦の列の「定期預金など」ですが、1か月から3年程度預けて運用する、利率は低いが現金にしやすい対象を考えています。定期預金、外貨MMF、低レバレッジのFXなどを想定しています。

 

「不動産(実物)」は、自分の持ち家を想定しています。投資用マンションとかアパートが流行っていますが、投資の最初にやることではないと思います。

 

「資源など」は、商品とかコモディティなどと言われる分野です。貴金属や原油、穀物などです。かなり難しいので、あまり扱うことはないでしょう。個人的には、金(ゴールド)やビットコインなどが気になるところです。

 

また後日、それぞれの投資対象は解説してみたいです。まずはおすすめの本などで、投資対象の基本知識を勉強してください。

 

投資対象を知るのに役立つ本

私の分類とは多少違いますが、投資対象を知るのに役立つ本をあげます。

内藤忍氏がシリーズで出している、

「内藤忍の資産設計塾 第4版」

がおすすめです。普通の人が投資するようなモノを、ひととおり押さえてあります。

アマゾンの書評などを読むと、厳しめの感想もあります。この本で書かれている海外不動産やワインへの投資は、私も微妙な気がします。

ただ、前の7割ぐらいの部分は役に立ちます。株式、債券、リート、FXなど、個別の投資対象の解説は勉強になります。

 

ほかには、山崎元氏の

「資産運用実践講座Ⅰ 投資理論と運用計画編」

「資産運用実践講座Ⅱ 株式投資と金融商品編」

がものすごく勉強になるのですが、投資を始めたばかりの人には難しすぎます。

投資がわかってきたなら、どうぞ。

 

投資する手段を知る

ここまでで、投資の対象としてどんなものがあるか、わかりました。

例えば、日本の株式だとか、アメリカの株式だとか、先進国の株式だとか。

日本の定期預金、オーストラリアの外貨MMF、インドの債券、新興国の不動産(リート)、国内で金貨を購入。

このように投資対象を選んで、投資をしていきます

 

投資のやり方も選べる

さて、こうして何に投資したいか、考えたり選んだりできるようになりました。

でも、まだ選択肢があります。

投資対象に、どういったやり方で投資をするかです。

 

投資の本を読んでいますと、よく解説で、株式、債券、投資信託、ETFのように並べて書かれています。

株式を買う、債券を買う、投資信託を買う、ETFを買うというように、選択肢として並列で置かれています。

 

これは私には、わかりにくい並べ方だなと思われます。

株式と債券は、まったく同じ立場であり、投資対象としての選択肢です。

 

これに対し、投資信託やETFというのは、投資をする手段としての選択肢です。

株式が対象で、株式を買う手段として、投資信託やETFを選ぶというかたちです。

(あとは、個別の企業の株を買うというのも手段です。例えば株に投資するなら、投資信託を買う、ETFを買う、個別銘柄を買う、というのが同じ立場で並列の選択肢です。)

 

説明なく投資信託やETFという言葉を使いましたが、ここで簡単に説明します。
 
投資信託は、大きなお金でまとめて投資をしている人たちに、1口1万円のような形で少額から参加するものです。

例えば、あなたが日本の株式に投資したくて、

トヨタ自動車、NTTドコモ、三菱UFJ銀行、三井物産、住友不動産、JR東日本、武田薬品、日産自動車、村田製作所、ソニー、アステラス製薬、花王、信越化学工業、ヤフー、富士フイルム、ダイキン、第一生命保険など、

すべての株を買いたいとします。

でも、無理ですよね。

 

投資信託は、金融機関がお金を募って、専門家が株などを買い集め、運用している商品です。

普通の人は、こんなにたくさんのものに多くのお金をかけられないので、その運用している商品のごく一部を買います。数千円とか数万円から。

そして、専門家が運用して利益があがったら、お金を出して買った分の割合で、利益の分け前にあずかれる仕組みです。

ETFは、株式市場に上場しているなど細かい点はちがいますが、かたちとしては投資信託と同じです。

 

投資信託やETFは、金融機関が専門家を揃え、大規模にお金を集めて運用している金融商品です。

投資信託やETFが投資する対象として、株式や債券、不動産など、さまざまなものがあります。

 

投資信託やETFは、投資対象ではなく、投資を行う手段(方法)です。

投資信託を買うのは、投資信託という手段を選んだのだと考えたらいいと思います。

その投資信託が対象にしているものは何かを考えることが、投資対象を選ぶということになります。

 

投資対象ごとに、投資の手段を選ぶ

ここまでの話をまとめると、

投資対象がいろいろあることを知り、

投資の手段もいくつかあることがわかりました。

 

投資対象を選んで、さらにそれに適した投資の手段を選ぶ。

というように二段階あるのだと知っておくと、頭が整理されてきます。

 

では、それぞれの投資対象で、代表的な投資手段をあげていきます。

 

株式

日本の株式に投資するときは、企業そのものの株を買う、投資信託を買う、ETFを買うというのが、一般的な投資手段です。

海外の株式でも、個別企業の株は買えます。私は海外の会社でも、選んで買うのがけっこう好きです。ただし海外株式は、手数料が高いのと、情報をとりにくいという点から、投資信託かETFで買うのが楽です。

地域別に株式投資をするなら、投資信託かETFを買います

 

債券

債券は本来だったら、株式と合わせて投資します。教科書的な考えでは、株価が下がるときに債券の値段が上がるので、株と債券を同時に持てば、安定します。

しかし、現在は先進国の中央銀行が債券を買い、金利が下がっているため(債券の価格が上がっているため)、債券を買う意味が薄いです。

今の状況ですと、買ってもよい債券は限られます。日本の10年変動金利の個人向け国債ぐらいしかありません

日本の固定金利の国債や社債、外国の国債や社債などは見送りでいいでしょう。

何か買うとしたら、投資信託かETFになります。

 

不動産(実物)

これは、住宅ローンで家を買った場合も資産運用の視点を持つべし、ということで項目にしました。

実物不動産に投資したいなら、元手と不動産投資のノウハウが必要です。

 

不動産(リート)

不動産にも、実物ではなく投資信託やETFというかたちで投資できます

 

資源など

貴金属や穀物、原油などに投資するなら、投資信託やETFが無難だと思います。金やプラチナは、現物で買うという手もあります。(面倒ですが。)

 

 

 

投資のやり方を知るのに役立つ本

実際に投資をするなら、どのような手段があるのか。

竹川美奈子氏の本で、そのやり方を学べます。

「一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門」

「新・投資信託にだまされるな! 買うべき投信、買ってはいけない投信」

などがおすすめです。

投資信託を解説していますが、投資の全体的な説明もやさしめにされています。

 

こんな感じで勉強すれば、証券会社に口座を開設し、投資信託を買えるようになります。慣れてくれば、個別企業の株やETFも買えるでしょう。

 

投資がうまくいくかは、資産配分がカギ

投資対象にどんなものがあり、それをどういう手段で買うのか。

ここまでわかりました。

なぜ、こんな回りくどいことをするかというと、投資で利益が大きくなるか小さくなるかは、資産配分でほぼ決まる、という考え方があるからです。

 

資産配分というのは、自分が持っているすべてのお金を、どの投資対象にどれだけ割り振るか、というものです。

例えば、全財産(すべてを現金化したとして)を100%とすると、

ケース1 ケース2 ケース3
預金 20% 60% 5%
株式 0% 10% 50%
債券 0% 30% 5%
不動産 80% 0% 40%

 

このように資産配分の異なるケースでは、数十年後の資産額で大きな差がつく、ということです。

どの投資対象に、どういう手段で、どれだけの比率でお金を配分するか?

これで、投資の結果の80~90%程度は決まる、とされています。

(私個人の意見では、もうちょっといろいろな要素が絡むと思っています。)

 

そういうわけで、投資対象と投資の手段を、第2回では説明しました。

 

資産配分を知るのに役立つ本

資産配分のやり方で、投資が成功するか失敗するか決まる。資産配分こそ、投資の最重要課題だ。

こういった、資産配分を重視する考え方があります。

年金のように、長い期間をかけて投資をする場合は、資産配分の考え方は知っておきたいです。

個人でも、自分の老後など、長い年月で投資することもあります。

そのへんを解説している本をあげます。

「一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門」

「新・投資信託にだまされるな! 買うべき投信、買ってはいけない投信」

さきほどもあげましたが、やさしめなのと、いろいろな投資対象に分散しましょう(分散投資も資産配分ですね)という解説なので、はじめに読むとよろしいかと思います。

 

そして、資産配分の鬼という感じの本が

「敗者のゲーム 原著第6版」

です。

有名な投資の解説本でもあり、勉強になります。

 

資産配分の理屈を学ぶなら、

「資産運用実践講座Ⅰ 投資理論と運用計画編」

で勉強できます。

ですが、さっきも言った通り難しいです。

 

まとめ

第2回では、

投資対象には、どんな金融商品があるのか。

その金融商品は、どのように買えばいいのか。

を説明しました。

勉強できる本もあげました。

 

これらを説明したのは、

資産配分が投資の結果を左右する

 という事実があるからでした。
 

第3回は、投資初心者でもできる安定した運用方法の話です。

投資を始めるあなたが年始に読むべき本 第1回 家計編

投資を始めるなら

Think

思い立ったが吉日。

一年の計は元旦にあり。

これから投資を始めてみよう、という方もいるでしょう。アベノミクス相場と呼ばれる、株価が上がる状況が3年ほど続いています。

 

今から投資を考えるのは、出遅れた感もありますが、それは仕方がないことです。物事はいつ始めてもいいのです。

 

ただ投資というのは、自分の大切なお金で行うことですので、失敗は避けたいです。

小さな失敗は経験値としてやむをえないと思いますが、取り返しのつかない、大きな額の損失は何としても回避しなければなりません

 

 

投資の基本を知ってから始めよう

私の投資歴は10年ほど、真剣に投資を勉強した期間は5年ほどです。

アベノミクス相場に乗って、億円単位で儲けた人もいます。私は、そんな大成功はできませんでした。

(小ヒットぐらいです。ぼちぼち利益は出ている、という程度です。)

 

とはいえ、しつこく投資の本を読みましたので、今から投資を始める人に基本的なアドバイスはできます

あなたが今から投資を始めるのでしたら、いきなり大金で気に入った株を買う、みたいなことはやめましょう。

 

最低限の勉強をして、少しずつ、小さな額から投資をスタートしてください。

勉強になるような本をあげながら、投資の基本を説明していきます。

(おすすめした本は、当ブログ内の書評記事にリンクしています。)

 

 

投資の前にする3つのこと

投資を始めたいと考えても、その前に、家計をチェックする必要があります。

家計の状態と、資産と借金がどうなっているのかがわかっていないと、投資ができません。

 

そもそも、家計の収支と、資産と借金の状況がわかっていないと、投資で利益が出ているのか、損をしているのかすらわかりません。

というわけで、脇道にそれるようですが、まず、家計と資産をチェックします。

 

投資を始める前に必要なことは3つです。

  • 家計を黒字にする。

 

  • 現在の資産と借金を、数値化する。

 

  • 将来の大きな出費を、ざっくり知る。

 

 

家計の収入と支出を知り、黒字にする

投資を考える前に、まず家計が黒字でなければ、何も始まりません。

収入から支出を引くと、プラスになっている家計にします。

 

家計簿をつけられないとか、大きな額の突発的な支出があったとか、いろいろ家計には問題が発生します。

そういうことを含めて、年間を通してみると、支出が収入額でおさまっている。

家計が黒字である、という状態をつくります。

 

家計を黒字にするには、収入を増やすか、支出を減らすか、この二つしかありません。

 

支出を減らす

収入を増やすよりは、支出を減らす方が簡単です。

王道なやり方としては、毎月決まった額の支出(固定費)を削る、というものがあります。

 

家賃や住宅ローン、生命保険や医療保険などの費用、携帯などの通信費、習い事やジムなどの費用です。

 

節約については、自分の生活を見直して、本当は自分に必要ない出費を削減する、という作業をします。

 

収入を増やす

自分の能力や職歴、資格などを高め、給料が上がればすばらしいです。自分の稼ぐ能力を向上させて、収入を増やすのは理想的です。

 

なかなかそううまくもいかないので、収入を増やすという方法をとるなら、副業で働くというアイデアもあります。

 

家計を黒字にするのに役立つ本

まずは、支出を減らすことを考えましょう。今の仕事をがんばりながら、さらに副業をするというのは、けっこうきついです。

 

自分の生活を見直して、ムダな費用を削減する。それにより、貯金できる(黒字となる)家計にする。

このやり方では、横山光昭氏の

「年収200万円からの貯金生活宣言」

「3年間で120万円貯金できる! 手取り月20万円からの3つのサイフでらくらく貯まる方法」

などが使えます。

 

また、自分で記入シートに書き込むことで支出がつかめ、節約すべき出費がわかる本があります。

解説も非常にていねいな、

「本気で家計を変えたいあなたへ 書き込むお金のワークブック」

もおすすめです。

 

大事なことは、支出の内容をだいたいつかみ、年間で家計を黒字にすることです。

 

ですので、家計の収支のチェック方法や、節約の方法はあなたに合うやり方でいいです。

「ずさんな家計を整えました。 ずぼらさんのためのお金安心塾」

「1行家計簿 世界一かんたんにお金が貯まる本」

「誰も教えてくれないお金の話」

などの方法を、自分に合うように応用するのもありです。

 

 

収入を増やす方向では、

 

 

できそうな副業を探してみるには、

「やむなく副業を始める人が読む本」

 

といった本を参考にしてください。

 

現在の資産と借金を、数値化する

家計の収支を知って、何とか黒字にできたら、やっとスタートラインです。

次にやることは、資産と借金をすべて洗い出して、数字にしてみることです。

 

資産を計算する

資産なんてないよ、という気持ちになるかもしれませんが、全部出してみましょう。

このとき注意するのは、時価で数値化することです。今、その資産を売ったらいくらなのか、で数字を出します。

 

持ち家があるなら、周辺の売り物件の相場を見て、冷静に売れる値段を想像します。

もちろん、家とか車とか、正確な価格はわからないでしょうが、それでもがんばって値段をつけましょう。

 

安くても仕方がありません。現実とは、戦わなきゃなりません。

 

預金も、すべての口座を確認します。

これから投資を始めるのですが、もし株や投資信託、外貨預金などがすでにあるなら、今の価格でリストアップします。

 

家や車など、売ったら現金にできる現物資産

預金や投資信託など、金融資産

これらをすべて、時価で数値化して、合計しましょう。

 

この合計値が、プラスの資産です。

 

借金も計算する

借金も計算します。

住宅ローンの残額、車のローンの残額、受けていた奨学金の返済予定額など。

 

人によって事情は違います。

よく思い出して、借金の内訳もすべてかき集め、数字として出しましょう

 

これをすべて合計すると、借金の総額がわかります。

借金の総額が、マイナスの資産(負債)です。

 

プラスの資産とマイナスの資産を足すと?

資産と借金の総額が、それぞれ計算できたはずです。

では、足してみましょう。(足すと言うか、資産から借金額を差し引きます。)

 

どうでしょうか?

 

プラスになりましたか?

住宅ローンを組んで家を買ったばかりの場合などは、マイナスになるかもしれません。

 

マイナスになっているときは、それは債務超過です。

会社だったら、いつ潰れてもおかしくない状態です。

 

いやいや、会社と家計は違うでしょ。と思うかもしれませんが。

それは現実です。

 

確かにいきなり、家計が飛ぶことはないかもしれません。ですが、かなり危険です。危険であることは認識すべきです。

 

今はいちおう、世の中が人手不足みたいな感じになっていますが、一寸先は闇です。

資産より借金が多い状態では、病気やリストラで収入が激減した場合、即崖っぷちです。

 

最近は、倒産とかリストラのニュースは少ないですが、いつまでもこの環境が続くとは思わない方がいいです。

 

資産を計算するのに役立つ本

ちょっと話がそれましたが、資産と借金をリストアップするのには、

「本気で家計を変えたいあなたへ 書き込むお金のワークブック」

「内藤忍の資産設計塾 第4版」

などの本が参考になります。

 

まあ、この資産と借金を数値化するというのは、作業です。

本を読まなくても、売って現金になる資産や銀行口座などの情報を漏れなく集めれば、できます。

借金についても同じです。

 

将来の大きな出費を、ざっくり知る

ここまでで、家計を黒字にすることと、資産と借金を数字でつかむ作業が終わりました。

かなり面倒だった、と思われるかもしれません。

 

ただ、それだけの価値があります

日本国民の多くは、家計の収支を知って黒字に保つことや、資産と借金の額を把握することができていません。

正確にはわかりませんが、まあ、少なくとも7~8割の人はできていないでしょう。

 

もし、あなたの家計の収支がプラスで、現在の資産と借金を把握しているなら(できれば資産≧借金)、すでにマネー的には勝ち組に近い位置です。

 

もうひとつやっておくことが、将来の大きな出費を想定することです。

だいたい何年後に、いくらぐらいの出費があるか、つかんでおきます。

 

もちろん、予定は未定ですし、人生はどうなるかわかりません。ですから、完全に計画しなくてもいいのです。

 

あくまでも現時点での想定として、

結婚費用、子供の入学金や授業料、住宅の購入費、車の購入費、老後にかかる費用、行きたい旅行の費用、などを考えていきます。

 

何年後にいくらぐらい必要で、今準備できているお金はどれだけか。

何年間でいくら貯める必要があるか。

 

といったことを、1年に1回は計算して、想定を修正していくのがいいでしょう。

 

将来にそなえるのに役立つ本

将来の支出にどんなものがあるのか、いくらぐらいかかるのか、などを考えるのはけっこう難しいです。

これには、記入シートに書き込むことで計画できる本、

「本気で家計を変えたいあなたへ 書き込むお金のワークブック」

がおすすめです。

 

まとめ

投資を始めたくなっても、投資の前にする準備がありました。

 

家計の収入と支出を知って、家計を黒字にすること。

現在の資産と借金の額を把握すること。

将来の大きな出費を認識し、いつ、いくらぐらい必要か想定すること。

 

第1回では、この3つを達成しました。

これができただけで、もう80%位の日本国民には勝っています。(マネー的に。)

 

第2回は、資産配分編です。

「ずさんな家計を整えました。 ずぼらさんのためのお金安心塾」 上大岡トメ/畠中雅子(著)

 

家計簿がつけられない。小さな節約をするのは面倒だ。そんな人に向いた本です。
ずぼらでも家計が管理できて、お金の悩みがなくなります。

 

おすすめ

★★★★★☆☆☆☆☆

 

対象読者層

家計の管理ができず、貯金も節約も苦手な人。

 

要約と注目ポイント

主人公はイラストレーター。

家計簿をつけられない、レシートが山になっている。行き当たりばったりのどんぶり勘定でやってきた。

お金に対しずぼらだったので、お金にふりまわされてきた人生。

お金と上手に付き合う決意をし、ファイナンシャルプランナーに助言をもらう。

 

家計簿はつけなくてよい。

記録と残高が合わない。お金を使ったとき、支出はどの項目に入れるのか迷う。これで挫折する。

生活費は大きな変動はなく、毎月だいたい同じ。

大きな額の特別出費をおさえることをめざす。

 

忙しい毎日、家計簿をつけるのは面倒。家計簿をつける必要がないことはポイント。

 

特別出費に注目する。

特別出費とは、1年のどこかで払う大きな出費。

大きな額の買い物、祝儀や香典などの交際費、保険料や税金、車の費用、教育費、家の修繕費、旅行などのイベント費用、ペットの費用、事故や病気の費用など。

特別出費の合計額はかなり大きく、年ごとに変わるので、特別出費の実態をつかむこと。

 

予測していない、突然の大きな出費が家計に大ダメージとなる。

 

家計の収支をつかみ、特別出費に備える。

年に2回、通帳をチェックする。年末と7月1日にすべての通帳の残高を合計。その差で収支をみる。

家計簿をつける余裕があるなら、3カ月つけてみよう。自分がどのような項目に、お金を使っているかがわかる。

お金の使い方がわかれば、ムダを減らし節約する方針が立てられる。

どのような特別出費があるか把握し、支払い計画表をつくって備える。

 

何にどれだけお金を使っていたか知ること。特別出費に対応できれば、家計は管理できる。

 

特別出費を削る。

自動車税と自動車重量税の節約法。都市部に住んでいれば、カーシェアなどを利用。

消費税増税など大規模なキャンペーンが行われるときは、終わったあとの方が値引きされることがある。

保険は、契約の見直し、早割更新やインターネット更新で節約、長い契約期間で節約。

服を買うのが好きなら、過去半年の服代をざっと計算し、予算をその8割に抑える。8割で済むよう、あらかじめ計画して買い物に行く。(外食好きなど、他の例でも同様。)

家電は値段を下調べし、値引き交渉し、本当に必要な物だけ買う。

自分が大好きなイベント(旅行や観劇など)のためなら、目標を持って貯金できる。

高校までの教育費は、家計内でまかない、貯金を切り崩さない範囲にする。

特別出費はいついくらかかるか予測し、毎月貯金する。

 

ありがちな特別出費について解説。これを削ることができれば、家計は黒字に。

 

ライフプランを書く。

将来の予定や出費を書き込んでみよう。確定した予定も大きな夢も、できるできないやお金は関係なく、具体的に書いてみる。

 

自分の気持ちを正直に、ライフプランに表現してみよう。昔の夢を思い出すかも。

 

生活設計能力を上げる。

お金を貯めて配分する能力(生活設計能力)を高めよう。ひとりの専門家の意見に絞る。詳しい人に直接聞く。天引き貯金などの方法で、自分のできることをする。

 

お金の知識とか、金融リテラシーなどと呼ばれます。学校では教えてくれないので、自分で積極的に学ぼう。

 

書評

ほのぼの系のイラストで、すっと読み進められます。

通常の生活費は月々であまり変動がないので、家計簿をつける必要は無し。毎月ではない、額の大きな特別出費だけ注意する。というアドバイスは参考になりました。

なるべく苦労しないで家計の収支を知って、大きな出費に備える。それによってお金の悩みを減らし、毎日を楽しく暮らそう。という考え方の人には良い本です。

家計をきっちり管理するとか、貯蓄して老後資金をつくるという方向の本ではないです。

家計管理や資産管理、老後資金の準備などを、系統立てて説明はしていません。あくまでもお金の知恵をつけるエッセイ、といった明るい読み物です。

つきあいというか、交際の生活の知恵みたいなコラムもあります。食事の会計の割りかん、香典やお祝い、ホームパーティーの手みやげ、お店選びなどがテーマとなっています。

少し気になったのは、生活設計能力を上げるには、参考にする意見をひとりの専門家に絞れ、というアドバイスです。

確かに今は、情報が多すぎて混乱しやすいです。ただ、いろいろなメディアで専門家の意見や解説を見たとき、それって間違いでは?適切なアドバイスではないような?ということがけっこうあります。

早い段階で専門家をひとり選び、その人の意見だけ参考にしていると、不利な方向に進む危険もあるように思いました。

ファイナンシャルプランナーご本人が、天引き貯金として、教育費のためこども保険に、老後資金用のため個人年金保険に加入されているようです。

これも私は、あまり良い選択ではないように感じました。手数料の分だけ不利だと、私は思います。

教育費は、単純に自分で行う天引き貯金の方が良いように思います。

そして個人年金保険ですが、手数料の高さやお金を動かせる自由度の面で、自分で行う積み立て投資に劣ると考えられます。インデックスファンドを自動積み立てで購入するなら、天引きという点は完全に同じです。
(書評2015/11/17)

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「本気で家計を変えたいあなたへ 書き込むお金のワークブック」 前野彩/内藤忍(著)

 

お金のことがよくわからず、何となく将来が不安なあなた。
本書でお金の知識を学べば、人生が変わります。

 

おすすめ

★★★★★★★☆☆☆

 

対象読者層

お金のことがよくわからない、お金が貯まらない、将来が不安な人。

 

要約と注目ポイント

お金のことがわからず、あなたもお金で悩んでいるのでは?

本気でお金に向き合い、お金の知識を身につければ、家計のムダも削れるし、将来の不安が解消できる。

本書の使い方は、まず基本的な知識を学ぶ。

そのあと記入シートに書き込むことで、自分の場合どうなるかが具体的にわかる。

そして行動し、家計を改善していく。

 

お金を貯める

お金を貯めるには、がんばらなくても続く「しくみ」をつくる。

①現在の家計を把握し、貯金の目標を設定する。

②お金が貯まらない原因と対策を考える。

③自分に合う、がんばらなくてもできる家計管理を実行する。

 

いつも節約を心がけるのではなく、支出が収入より小さくなる状態をつくります。

付属の記入シートを使う。

家族構成、収入、貯蓄、1年間の貯金額、ローン、子供の教育プラン、項目別の支出を記入。

万円単位、千円単位でざっと書き込む。現在のお金の使い方がわかる。

 

家計簿

家計簿は、ムダづかいせず使いたいことにお金を使えているか、管理するための道具。

家計簿を楽につけるポイントを解説。

 

家計簿は、お金の流れを見るためのもの。お金の動きがわかれば、何をすべきかわかります。

 

将来の支出にそなえる

いつ、いくらお金が必要なのか、はっきりさせて理解する。

そうすれば計画的に貯金をすることで不安はなくなるし、今の生活にお金を使って満足することもできる。

 

目的別の貯金

車の購入や旅行、教育資金、老後資金などは、目的別の積み立て貯金がおすすめ。

将来のライフイベントに向けて積み立て貯金をすれば、無理のないペースでできるし、モチベーションも上がる。

毎年の大きな額の特別支出用にも積み立てる。

 

将来の支出が具体的にわかれば、備えられます。未来の不安も減ります。

 

貯金の基本

貯金するには、「収入-貯蓄=支出」という先取り貯蓄が基本。

貯蓄分を先に取り、残ったお金を全部使う方がストレスフリー。

給料から貯蓄分を引き、口座引き落としの諸費用を残し、生活費は1か月に1回だけ口座から引き出す。

生活費の現金は、1週分ずつ分けると管理しやすい。

 

節約の方法

大きな固定費(住居費・保険料・通信費・教育費など)が、節約しやすく効果も大きい。

小さな節約はストレスのもとになりやすい。以下の順に節約する。

①1回で済む大きな固定費の見直し。

②使途不明金(いつの間にか使っているお金)のチェック。

③日々の節約。

 

大きな固定費を節約し、給料から天引きすれば、がっつり貯金できます。

 

テーマごとの解説

 

子育て・老後

子育てにかかるお金と、教育資金の準備方法。

老後にかかるお金と、その準備方法。

年金制度の説明。投資について。

 

保険

生命保険が必要な場合とは。

一生分の収入予定額と支出予定額。遺族年金の説明。生命保険を種類ごとに説明。

医療保険が必要な場合とは。

健康保険の説明。民間保険でカバーするか、貯蓄で備えるか。介護保険の説明。子供の保険の説明。

 

住宅購入

住宅を購入するときは。

自己資金の用意、無理なく返済できる金額、固定金利と変動金利、返済方法、繰り上げ返済と借り換え、死亡保険、などローンの説明。

賃貸との比較。

マンションと一戸建ての比較。

火災保険、地震保険、個人賠償責任保険、自転車保険、自動車保険の説明。

 

社会保険料と税金

パートの年収と、税金や社会保険料の説明。
(年収103万円で所得税課税、130万円で社会保険料負担、141万円で配偶者特別控除なし。)

社会保障制度の説明。

所得税など(源泉徴収票)の説明。

贈与と相続の説明。

 

教育費、老後資金、保険、住宅ローン、税金。重要テーマも、記入シートを使えばよくわかります。

 

書評

本書には記入シートがついているので、いろいろなお金の計算に使えます。

現在の家計収支を把握するシート、ライフイベント表、目的別積み立て貯金のシート、老後の生活のお金用シート、一生分の収支予定シート、遺族年金用のシート、などがあり、確かにわかりやすいです。

書き込むことで、現在の家計から一生のお金の問題まで、大まかなイメージを持つことができます。

本書はけっこう細かく、いろいろな項目のお金を管理している印象です。

目的別積み立て貯金の項目も、かっちりしてます。家族のライフイベントを将来まで書いて、いついくら必要か考え、お金の準備をすることも勧めています。

老後の費用や、自分が死んだ場合の家族の生活費なども、記入シートを使うことで簡単に計算できます。

しっかりお金の問題を想定できるので、毎月のお金の使い方や貯め方に、めどが立てられそうです。ここから自分に合った、がんばらない「しくみ」に仕上げるのが良いかと思います。

本書の特長である記入シートは、自分のお金の理解と改善にすぐ役立ちそうです。

また、社会保障制度や民間の保険の解説など、基本事項の解説もよくまとまっています。解説を読むことで、制度や金融商品を学べます。

記入シートだけでなく、図表やグラフも多いので、視覚的にも理解しやすくなっています。

私は投資や貯金については相当勉強したので、その部分は流して読みましたが、生命保険や医療保険、介護保険などはあまり関心がなかったので、学ぶことが多かったです。
(書評2015/11/12)

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「誰も教えてくれないお金の話」 うだひろえ/泉正人(著)

 

懸命に働いても、がんばって節約しても、全然お金がない。
本書では、そんなお金の悩みを解決します。

おすすめ

★★★★★★☆☆☆☆

 

対象読者層

お金が貯まらない、お金の知識がない、お金の扱い方がわからない人。

 

要約と注目ポイント

・主人公は33歳の主婦兼イラストレーター。夫は脱サラして、カフェ経営中。夫婦とその周囲の人々の日常生活を漫画で描く。(もちろんお金が主題です。)

 

月末にお金がない

主人公の女性は、漫画やイラストの仕事をがんばり、節約し、夫のカフェも手伝っている。しかし、住宅ローンの支払いにすら困る生活。貯金は無い。万一のための保険、子供にかかる費用、老後の不安はどうすれば?がんばっているのに、なぜお金がなくなるの?

解答:
月末にお金がなくなるのは、収入と支出のバランスがとれていない。

 

うまく節約ができない

主人公と同じようにズボラな性格と思っていた妹が、しっかり家計簿をつけ、収入と支出を把握し、家計を管理していた。主人公も家計簿をつけ始め、とことん節約してみた。でも生活がギスギス。それでも貯金が貯まらない。なぜ?

解答:
収入の一定割合を先取り貯蓄し、残りで生活。家計簿は、家計の全体像を知るためにつける。節約は固定費の削減から。

家計の収支を確認し、大きな固定費を削るのが、節約の基本です。先取り貯金も、お金を貯める基本技です。

 

お金を貯め、利益を出すのに必要なこと

貯金を増やそうと、夫のカフェを手伝う主人公。でもお店で利益を出すには、お金(会計)の知識が不可欠。

解答:
家計でも、資産と負債を把握できるバランスシートをつけよう。価格と価値の関係を意識して、お金のセンスを磨こう。お金の流れを見ること。お店では、固定費・変動費・損益分岐点、客単価と回転率などを考え、リピーターを増やして、利益を出す。

 

住宅ローンの支払いが長くて苦しい

賃貸に住んでいた主人公夫婦は、転勤を機に不動産屋に問い合わせをしてみた。すると不動産屋に押され、頭金なしで限界まで変動ローンを組み、新築マンションを購入することになった。今となっては、ローンの長い支払いに苦労している。

解答:
住宅購入のときには、手取り収入から借りていい限度額を考えること。類似する賃貸物件の家賃から、販売価格の妥当性を判断できる。
住宅ローンの種類と金利、物件購入時にかかる諸費用、購入後にかかる税金・修繕費・保険料、繰り上げ返済と借り換え、などを解説している。

家を買ったあとでは、支出の変更は難しくなります。住宅ローンを組む前に、十分な検討をしましょう。

 

お金に苦労しない生き方

将来のため、もっと一生懸命働いてお金を貯めようとする主人公。そんなとき、取材でファイナンシャルプランナーの話を聞くことになる。

解答:
お金について悩むのではなく、考えること。大切なのは、お金の正しい扱い方を知ること。浪費を減らし、価値を生む投資を増やす。情報を集め、取捨選択する。お金について勉強し、実行して気づき、また勉強する。

自分の価値観を考え直すと、お金の使い方が変わることがあります。特に、見栄にこだわらなくなると、自分の大切なことにお金を使うようになります。

 

保険について

漠然とした不安を感じていた主人公。それは、ケガや病気についてだった。夫がケガをして、カフェを休業することに。母や妹が保険に入ることを勧めてきたが。

解答:
公的な社会保障はかなり厚い。それらの解説。公的保障の範囲外で、自分に必要な保険があれば入る(収入保険や医療保険など)。万一のときに必要な額を計算し、その目的を満たす最適な保険を選ぶ。生命保険では、残された家族や子供にかかる費用を計算する。

加入している保険の見直しは、かなり効果的です。

 

老後に備える

老後に必要な生活費を考えてみた主人公。もらえる年金額と、貯まる予定の貯金額の合計では、10年も暮らせない。暗い気持ちになる主人公。老後は暗いのか?

解答:
国民年金・厚生年金・共済年金など、年金制度を説明する。年金はベースになるので納付しよう。少額から資産運用もできる。勉強しながら、小さな金額で始めてみよう。

 

子供を育てる

主人公は、子育てしながら働く知人に刺激を受ける。子供をもつことを意識するが、教育費が心配だ。

解答:
出産にかかる費用と、それを補う保険制度を説明する。かかる教育費と、児童手当や補助制度の説明も。正しい知識を持てば、不安は消える。

老後の生活費も、子供の教育費も、正しい知識を持てば対策を考えられます。具体的に行動を始めれば、不安も減ってきます。

 

書評

漫画でストーリーが展開し、説明も入りますが、詳しい解説は文章となります。主人公の生活は漫画家自身が描き、お金の知識となる説明は、ファイナンシャルプランナーの方が書いています。

お金の知識を学ぶとっかかりとして、漫画は適当かもしれません。なぜかいつも月末にはお金がなくなり、支払いに困る。家計簿が続けられない。といったエピソードは読者の共感も得られそうです。

家計の収入と支出を知ること、先取り貯金、固定費削減など節約の工夫、資産と負債の考え方、住宅購入の考え方、公的な社会保障制度、必要となる保険の考え方、年金の基礎知識、子育てや教育費の実際、などの基本をきっちりと学べます。とりあえず人生で必要な、最低限のお金の知識は、網羅されている感じです。

ただし、どうしても教育的な漫画になるので、漫画そのものは特に面白いとは言えません。結局は文章で解説されます。

なお、夫がカフェを経営しているのでストーリーでは必要ですが、お店が利益を出すための会計知識が、この本の読者に重要なのかは疑問でした。

確かに、そのようなお金のセンスはとても大切です。ただ、こういった本の読者は、お金のことが全然わからない人のような気がします。お店の経営より、自分の生活や貯金が最大の問題だと思われます。ですので、お店が儲かる会計の話は、省いてよかったかもしれません。
(書評2015/11/10)

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