2016年1月1日。20人の大企業経営者の日経平均株価予想とは?
毎年、夏以降に相場が荒れてくると、その年の正月の株価予想ってどんなものだったか、気になります。でも、だいたいその時点では忘れてしまっています。
それ以外でも、自信満々なアナリストが、数カ月前(場合によっては数週間とか数日前)にどんな予想を述べていたのか、覚えておいた方が良いなと思うことがあります。
ものすごく自信ありげな態度で予想をし、結果が大外れでもまったく反省しないアナリストは多いです。そういう人に惑わされないように、外れても謝らないアナリストは、最初から無視した方が良いですね。
さて、今日の本題ですが、経営者による元日の株価予想です。今年は、1月1日の日経新聞をわざわざ残しておきました。他人の株価予想を聞くことの無意味さや、自分の予想が外れることを前提に投資行動をとるべきだ、といったことがわかります。
20人の文殊の知恵。最高値24000円。最安値17000円。
誰の予想が当たったとか外れたとか、そういうことを言いたいのではないです。(まあ全員外れているのですが。)経営者の実名を挙げて、予想結果とすり合わせることはしません。
ただ以下のように、日本を代表する大企業の経営者20人の予想です。素人ではないはず。
アサヒ、セコム、三越伊勢丹、伊藤忠、信越化学、三菱地所、SMBC日興証券、三菱ケミカル、富士フイルム、TDK、日本ガイシ、ユニ・チャーム、ダイキン工業、東京海上、日本電産、味の素、大和ハウス、大和証券、カルビー、富士重工。
下の表は、2016年の日経平均株価の、最高値と最安値予想です。その時期も予想しています。20人分です。
最高値(時期) | 最安値(時期) |
---|---|
22500(12月) | 18500(5月) |
22000(12月) | 18000(9月) |
22000(10月) | 18000(1月) |
21000(5月) | 17000(1月) |
24000(12月) | 18000(4月) |
22000(12月) | 18000(9月) |
22500(11月) | 18500(5月) |
22000(12月) | 18000(5月) |
22000(6月) | 18000(2月) |
22000(6月) | 18000(11~12月) |
23000(12月) | 18000(3月) |
23000(12月) | 18000(2月) |
22000(8月) | 18000(3月) |
22500(6月) | 17000(10月) |
22000(11~12月) | 18000(1~2月) |
22000(12月) | 18000(1~3月) |
23000(6月) | 18000(2月) |
23000(7月) | 18000(10月) |
22500(12月) | 19000(1月) |
21000(7月) | 18000(12月) |
2016年5月17日終了時点で、日経平均株価は16600円ほどの水準です。今のところ、最高値は1月4日(初日です!)の18951円、最安値が2月12日の14865円です。
少なくとも最安値については、20人の経営者全員はずれです。
正月から不景気な予想はできないでしょうが‥‥
一応フォローしてみると、おめでたい元旦早々、安値の予想をして、「今年は不景気になる!」と主張するのは気が引けるでしょう。世間に先行き不安感を与え、景気にも悪影響ですし、自社の社員の士気も下がります。
株価の下落を予想するということは、政府の経済政策が失敗すると言っていることと同義なので、こちらも躊躇します。政権や政府に対し、率先して喧嘩を売ることになるからです。
まあそういう大人の事情で、楽観的な予想を出したくなるのでしょう。あと気付くのは、年後半に高値が来ると予想した人が多いことです。これは、2015年終盤の雰囲気のまま、予想をしたのだと思います。
予想はその時点の空気に流される
だいたい、アナリストとかストラテジストの予想も、その時点の雰囲気や空気に沿ったものになりがちです。
相場が急落したときには、「専門家に聞く下値のめど」のような記事が必ずありますが、それを1週間後にあらためて読むと、ほとんどはずれています。
逆に相場が堅調で、じり高が続いているときに今後の見通しを聞くと、相当な高値を予想しますが、それもかなり怪しいです。
株価予想の教訓は、当たらないと知っておくこと。
そういうわけで、今回の記事の教訓は、
「株価予想は当たらない。他人の株価予想は無視せよ。自分の先行き予想も当たらないことを前提に、リスク管理して投資しろ。」
ということです。
株式市場や金融市場がどうなるか、あるいは個別銘柄がどうなるか、こういった予想は当たらないと認識しましょう。予想が当たることもありますが、外れることを前提にリスク管理をしましょう。最大損失額こそ、予測しておくべきです。
最大損失額をコントロールする
今の自分の総資産(総資金量)、何にいくら投資しているかを把握しておくのが重要です。株価予想をするより、自分のリアルな資産状況を知っておくことの方が大切ですね。
そのうえで、自分がどれだけの損失なら受け入れられるか。株式市場が50%暴落するなど、最悪の場合に保有するリスク資産はどれだけ減るか、それに耐えられるか、そちらを予想するべきです。
逆に言うと、リスク資産への投資比率をコントロールできれば、かなり穏やかに暮らせます。自分で受け入れられる範囲内に損失が収まれば、納得できます。私はあまり損切りは使わず、レバレッジを低くする方向でやっています。
個人的には、日本株からは撤退しました
最後にどうでもいい個人的な話ですが、私は日本株投資から、ほぼ撤退しました。世界全体の株式市場にインデックス投資する、というのもやっていますので、TOPIX連動のETFなどはお付き合い程度で買っています。でも、積極的に日本株を買うのはやめました。
これは、今後の日本株が下がると思うから、ではなくて、政府の介入が多くなってきたためです。政治が介入してくるので、日本株への興味がほとんどなくなりました。
最近は、日本の株式市場の売買代金が落ちているようです。個人投資家や中長期の機関投資家は、けっこう離れてしまったのではないでしょうか。これだけ公的年金や日銀などに、滅茶苦茶に市場を荒らされると、うんざりしてしまいます。
国家資本主義下の市場には参加したくない
私はこれまで、まったく中国株やロシア株に興味がなかったのですが、それは政府が大株主だからです。政府が政治的要因で企業に直接介入する、そういう株は買いたくありません。残念ながら、日本株もだんだんそうなってきています。
4月に、日銀が追加緩和するかどうかで騒ぎになりました。追加緩和策の有力な候補で、ETFの買い増しというのもありました。日銀が1年で10兆円のETFを買う、とゴールドマンサックスの人が言い出して、私はびっくりしました。
4月は見送りましたが、いずれETFも日銀が買うのでしょう。
どうなんですかね、日経平均株価の採用銘柄になるような日本の上場企業は、超大企業ばかりですが。そんな会社の筆頭株主が日銀、2番目の大株主が公的年金、3番目がゆうちょ銀行、4番目が財務大臣。
そんなふうになって、日本は資本主義国家ですか?国家資本主義の統制経済ですか?私は、国家資本主義の統制経済に支配された会社の株は、買いたくないんですねー。
そういうわけで日本株は、お付き合いとして、TOPIX連動ETFを低比率で買うだけです。あとは、日経平均先物のミニを、低レバレッジで売買して遊んでいます。