家計簿がつけられない。小さな節約をするのは面倒だ。そんな人に向いた本です。
ずぼらでも家計が管理できて、お金の悩みがなくなります。
おすすめ
★★★★★☆☆☆☆☆
対象読者層
家計の管理ができず、貯金も節約も苦手な人。
要約と注目ポイント
主人公はイラストレーター。
家計簿をつけられない、レシートが山になっている。行き当たりばったりのどんぶり勘定でやってきた。
お金に対しずぼらだったので、お金にふりまわされてきた人生。
お金と上手に付き合う決意をし、ファイナンシャルプランナーに助言をもらう。
家計簿はつけなくてよい。
記録と残高が合わない。お金を使ったとき、支出はどの項目に入れるのか迷う。これで挫折する。
生活費は大きな変動はなく、毎月だいたい同じ。
大きな額の特別出費をおさえることをめざす。
特別出費に注目する。
特別出費とは、1年のどこかで払う大きな出費。
大きな額の買い物、祝儀や香典などの交際費、保険料や税金、車の費用、教育費、家の修繕費、旅行などのイベント費用、ペットの費用、事故や病気の費用など。
特別出費の合計額はかなり大きく、年ごとに変わるので、特別出費の実態をつかむこと。
家計の収支をつかみ、特別出費に備える。
年に2回、通帳をチェックする。年末と7月1日にすべての通帳の残高を合計。その差で収支をみる。
家計簿をつける余裕があるなら、3カ月つけてみよう。自分がどのような項目に、お金を使っているかがわかる。
お金の使い方がわかれば、ムダを減らし節約する方針が立てられる。
どのような特別出費があるか把握し、支払い計画表をつくって備える。
特別出費を削る。
自動車税と自動車重量税の節約法。都市部に住んでいれば、カーシェアなどを利用。
消費税増税など大規模なキャンペーンが行われるときは、終わったあとの方が値引きされることがある。
保険は、契約の見直し、早割更新やインターネット更新で節約、長い契約期間で節約。
服を買うのが好きなら、過去半年の服代をざっと計算し、予算をその8割に抑える。8割で済むよう、あらかじめ計画して買い物に行く。(外食好きなど、他の例でも同様。)
家電は値段を下調べし、値引き交渉し、本当に必要な物だけ買う。
自分が大好きなイベント(旅行や観劇など)のためなら、目標を持って貯金できる。
高校までの教育費は、家計内でまかない、貯金を切り崩さない範囲にする。
特別出費はいついくらかかるか予測し、毎月貯金する。
ライフプランを書く。
将来の予定や出費を書き込んでみよう。確定した予定も大きな夢も、できるできないやお金は関係なく、具体的に書いてみる。
生活設計能力を上げる。
お金を貯めて配分する能力(生活設計能力)を高めよう。ひとりの専門家の意見に絞る。詳しい人に直接聞く。天引き貯金などの方法で、自分のできることをする。
書評
ほのぼの系のイラストで、すっと読み進められます。
通常の生活費は月々であまり変動がないので、家計簿をつける必要は無し。毎月ではない、額の大きな特別出費だけ注意する。というアドバイスは参考になりました。
なるべく苦労しないで家計の収支を知って、大きな出費に備える。それによってお金の悩みを減らし、毎日を楽しく暮らそう。という考え方の人には良い本です。
家計をきっちり管理するとか、貯蓄して老後資金をつくるという方向の本ではないです。
家計管理や資産管理、老後資金の準備などを、系統立てて説明はしていません。あくまでもお金の知恵をつけるエッセイ、といった明るい読み物です。
つきあいというか、交際の生活の知恵みたいなコラムもあります。食事の会計の割りかん、香典やお祝い、ホームパーティーの手みやげ、お店選びなどがテーマとなっています。
少し気になったのは、生活設計能力を上げるには、参考にする意見をひとりの専門家に絞れ、というアドバイスです。
確かに今は、情報が多すぎて混乱しやすいです。ただ、いろいろなメディアで専門家の意見や解説を見たとき、それって間違いでは?適切なアドバイスではないような?ということがけっこうあります。
早い段階で専門家をひとり選び、その人の意見だけ参考にしていると、不利な方向に進む危険もあるように思いました。
ファイナンシャルプランナーご本人が、天引き貯金として、教育費のためこども保険に、老後資金用のため個人年金保険に加入されているようです。
これも私は、あまり良い選択ではないように感じました。手数料の分だけ不利だと、私は思います。
教育費は、単純に自分で行う天引き貯金の方が良いように思います。
そして個人年金保険ですが、手数料の高さやお金を動かせる自由度の面で、自分で行う積み立て投資に劣ると考えられます。インデックスファンドを自動積み立てで購入するなら、天引きという点は完全に同じです。
(書評2015/11/17)