「起業家・個別企業」カテゴリーアーカイブ

「起業家2.0 次世代ベンチャー9組の物語」 佐々木俊尚(著)

 

日本のIT系起業家を取り上げた本です。2000年から2007年頃の日本のITベンチャーがどうだったのか、見えてきます。

おすすめ

★★★★★☆☆☆☆☆

 

対象読者層

本書で取り上げられている9社の創業者や、会社に興味がある人。
2000年から2007年頃の日本のITベンチャーに興味がある人。

 

要約と注目ポイント

以下9社の創業者の半生について、および起業の経緯や会社のビジネスについて書かれています。

mixi、はてな、チームラボ、フォートラベル、エニグモをつくった起業家たち

エニグモ

(須田将啓氏、田中禎人氏)

mixi

(笠原健治氏)

アブラハム・グループ・ホールディングス

(高岡壮一郎氏)

ゼロスタートコミュニケーションズ

(山崎徳之氏、羽田寛氏)

チームラボ

(猪子寿之氏)

ルーク19

(渡辺明日香氏、飯島淳代氏)

paperboy&co.

(家入一真氏)

フォートラベル

(津田全泰氏)

はてな

(近藤淳也氏)

成長を遂げた日本のITベンチャーの、歩んできた道がわかります。

 

書評

出版が2007年末なので、出版当時と現在では事情がかなり変わっています。成功している会社、買収された会社、苦境にある会社とさまざまです。

本書では、9社すべての前途が明るく描かれていますが、ビジネス環境の変化の速さはすさまじいです。勝者と敗者の立場がすぐに変わります。2013年の現在から、苦境にある会社の創業者を笑うつもりもありません。ただ個人にせよ会社にせよ、生存競争の厳しさを感じるのみです。

2000年から2007年頃までの日本のITベンチャーに興味があるとか、取り上げられた9社やその創業者に関心があるといった人でなければ、あえて今読む必要がある本ではないと思われます。
(書評2013/11/12)

「リクルートのDNA 起業家精神とは何か」 江副浩正(著)

 

リクルート創業者の江副氏の著作です。リクルートという会社は、すごく活動的でタフであるというイメージを持っていまして、何か学べるのではと思い読んでみました。

また本書内で江副氏自身が述べていますが、江副氏にはカリスマ性はなく、内気で話下手で体も弱く宴会なども苦手だったとのことです。江副氏に取材した記者が、江副氏はおとなしく暗い印象だったと書いた記事を読んだこともあります。

このようにカリスマ性や強烈な個性を持たない創業者が、どうやってあのような強力な会社組織をつくりあげたのか、という疑問が解ければと思いました。

おすすめ

★★★★★☆☆☆☆☆

 

対象読者層

起業後に強い会社組織をつくりたいと考えている人。リクルートや江副浩正氏に興味のある人。

 

要約

創業者(経営者)と社員が、同じ理想のベクトルを持ち続けるようにする。

・経営者は仕事の現場の隅々まで、そして社員全員の特徴を知ろうと心掛ける。

社会に貢献すること、個人を尊重すること、商業的合理性を追求すること、を経営の原則とする。

誰もしていないことをやり、時代の要請に応え高収益を上げよう。

自分の意見を持ち、わからないことはお客様に聞いて改善を続ける。

・競争のない事業は産業ではない。後発企業のよいところは進んで真似する。競争は歓迎するが、同業者間競争で二位になることは死である。

・社内に小さな会社をつくり、収支計算を行う。高収益には高い報酬を与え、赤字事業からは早期に撤退する。失敗に寛容な企業文化が大切だ。

・社員持ち株を推進する。自らが働く会社の損益が、株主の損益と直結することが望ましい。

・健全な赤字事業をもつ。常に新しい事業を立ち上げ続ける。新規事業の立ち上げはボトムアップ、赤字事業からの撤退はトップの決断で行う。

・高い経営効率には、ハイパフォーマーが必要。ハイパフォーマーは、少数で高い成果を達成しようとする過程で育つ。

自分を成長させるのは自分。自己管理が大切。

よく働き、よく学び、よく遊ぶ。

・マナーとモラルは大切。

・良いネットワークを構築して仕事をする。周囲に自分を理解してもらう。

・数字に強くなる。

・脅威を感じるときにイノベーションは行われやすい。自らを変えれば、新しい道が開ける。

・業績以外に、適性テストや他者評価から自らの問題点を知り、自己変革する。人も会社組織もフィードバックから学ぶ

成功する起業家について。
人材を集め目標と理念を共有する。
誰よりも、優れた仕事を熱心に継続してやる。
社員をよく知り、誰にどの仕事をどのレベルまで要求するか設定できる。
創業者利益が得られる事業、社会に求められる事業をする。
少ない資本でできる仕事から始める。
時間を有効に使う。
失敗を恐れず、部下の失敗に寛容であること。
若くて就職をしないまま起業する。
常に学び人の意見や助言を聞く。
コミュニケーション能力を高める。
倫理観をもつ。
健康に留意する。
人の能力を最大まで引き出す。
常に顧客の声を聞く。

・江副氏が学んだ、起業家や経営者について。

・リクルート創業から現在までの事業について。

 

書評

起業や経営において大切なことを、淡々と江副氏が述べています。要旨にまとめてみましたが、いろいろと勉強になります。

江副氏は起業当初から、自身にリーダーとしての素質はないと自覚していました。どのような言動をすれば仲間・部下・社員のやる気が高まり、能力が向上し、事業を成功させられるか、ずっと考え続け、実行し続けました。

社訓通り、江副氏自身が自ら機会をつくり、機会によって自らを優秀な経営者へと変えていったのです。

己を知る理性、深い洞察、広く意見を求める謙虚な姿勢、自らの行動を制御し自己変革を続ける克己心、失敗を恐れない勇気。天賦の才はなくとも、意思によって自己を変革し、事業を成功させた人生には敬意を覚えました。

やや編集に難がありますが、何かを達成するために自分を変える必要を感じている人は、読まれるとよいかと思います。
(書評2013/10/25)

「7大企業を動かす宗教哲学」 島田裕巳(著)

 

日本の特色ある7企業を、宗教学者が分析します。7つの企業の変遷を通して、日本経済の移り変わりも見ることができる1冊です。

おすすめ

★★★★★☆☆☆☆☆

 

対象読者層

日本企業の体質に興味のある人。新書なので、ビジネス書としても気楽に読めます。

 

要約

・終身雇用、年功序列、企業内組合という特徴が、日本企業に共同体としての性格を持たせた。経営哲学や理念が、共同体としての企業組織を動かす。また、経営哲学や理念は、組織に体現される。組織として、企業と宗教教団には類似性がみられる。

 

松下電器産業(現パナソニック)

松下幸之助の人間観は、徹底した人間中心主義である。万物いっさいをあるがままに認め、容認する「人間道」を提唱し、楽観的な宗教哲学を展開した。

「生産者の使命は、貴重な生活物資を水道の水のごとく、無尽蔵たらしめることであり、量を多くして無代に等しい価格をもって提供することである。こうして貧は除かれ、悩みは除かれ、物資を中心とした楽園に、宗教の力による精神的安心が加わって人生は完成する。」という水道哲学を松下幸之助は唱えるが、ここには天理教の影響があった。また、企業経営を聖化し、労働の意義を明らかにする態度は、プロテスタントの天職の考え方に通じる。

ただし天理教だけでなく、松下幸之助には多くの密教・神道・新宗教との接点があった。

松下電器は事業部制をとるが、これは町工場から事業が発展したためであり、松下電器の本質は町工場の集合体である。小さな組織から巨大な組織へと成長すると、その発展のメカニズムから事業部制をとりやすい。創価学会も事業部制に近い。松下は各事業グループで龍神を祭るが、これは密教の教えの影響がある。

松下幸之助の水道哲学は、製品価格を低下させ利益を減少させる。これを防ぐために、小売店をナショナルショップとして組織化し、メーカーが販売価格を決定しようとした。(この点で次のダイエーと対立する。)

 

ダイエー

中内功は、生産者ではなく販売業者が価格決定権を持つこと(流通革命)をめざした。チェーンストアが、単品を大量に計画的に売ることでシェアを大きくし、価格決定権を生産者から奪い返そうとした。

ダイエーは創業時、生産者の販売する商品の大きな単位を、消費者が買いやすい形に「商品化」することを始めた。(従来の小売店は、例えば30kgの大袋から砂糖を客に量り売りしていたが、ダイエーは1kgの袋詰めで売った。)この販売方法は、高度経済成長と中間層拡大という社会状況に適応した。

スーパーマーケットという業態を確立するため、チェーンストア協会を設立し、流通革命へと突き進んだ。流通革命の戦術論として、毛沢東思想を援用した。

中内功個人は、全く財務が理解できない人間だった。これはダイエー破綻の原因となったが、この経理を全く考えないで突進する行動が、限界を極め流通革命を成し遂げる推進力となった。

 

トヨタ自動車

トヨタ生産方式(かんばん方式)は、在庫を持たず、生産過程でのムダを極限まで減らすことで名高い。ムダを減らし生産性を高め、品質を向上させることの追求が、トヨタの経営哲学である。
この経営哲学の原点は、豊田佐吉の日蓮主義と報徳思想にある。日蓮主義から、国家のために産業を興すべきという意識が生まれた。また報徳思想では、勤勉で禁欲的な生活が推奨され、実際の生活を改善し組織を立て直す仕法が掲げられるが、これはトヨタのムダを排し、改善を重視する考えにつながった。

トヨタでは、改善、見える化、自働化、ジャストインタイムなど、特有のトヨタ語が用いられる。宗教団体でも、特有の用語が多用される。
トヨタで働き、トヨタ生産方式を理解するためには、トヨタ語の体系的な理解が欠かせない。宗教団体でも、特別の修業を積み教団特有のことばを学び、これらのことばを自由に操れる人物が、教団の指導的地位に立つ。

ムダを省くジャストインタイムの思想は、工場と本社が近接することを求める。そのためトヨタは一貫して、挙母(豊田市)に工場と本社を置き続けた。トヨタは特定の土地から離れることはできず、トヨタには土地に根付いた共同体の性格(村社会)が色濃く残る。

こうした村社会では、突出した社員(スターとなる社員)がいない。傑出したカリスマは存在しない。トヨタの取締役会は、出席者全員が活発に真剣に議論するが、村社会における全員一致の原則が想起される。

豊田喜一郎は、業務の文書化を徹底し、仕事の仕方を仕組みとして確立した。あらゆる事柄を文書化して、暗黙知を形式知として表現することを、トヨタはめざしてきた。二宮尊徳の報徳運動の影響が感じられる。

トヨタには上役率先という考えがあり、上司は率先してあらゆる重要事項の処理にあたる。

トヨタ生産方式を導入しても、失敗に終わる企業も多い。これは、トヨタ生産方式が生産システムにとどまらず、それに関わる人間の態度にも変革を要求するからではないか。
トヨタでは、常にムダを省くための改善に取り組み続け、工夫を続けなければならない。改善や上役率先を実践するには、社員は自発的にそれを行い、満足感を得ることが必要である。これは、社員がトヨタという企業組織と一体となることである。トヨタ社員となるには、トヨタ生産方式を支える宗教哲学を受け入れることが必要なのだ。

 

サントリー(サントリーホールディングス)

サントリーのルーツは大阪道修町にあるが、道修町は薬種業者が集まり、同業者の結束が固いギルド的性格を持っていた。信仰に熱心な地域で、創業者の鳥井信治郎も神仏への信仰心が強かった。

信仰心の篤さは、恩という要素を重視する姿勢にもなる。鳥井信治郎は、「利益は人様のおかげで、利益の三分の一は社会に還元し、三分の一は客と得意先にサービスとして返し、残りの三分の一を事業に充てる」という利益三分主義を唱えた。

また鳥井信治郎は、広告や宣伝戦略に先進的だった。広告重視の姿勢は、サントリーの伝統ともなる。一方、愛国主義的傾向もあり、洋酒報国、舶来品駆逐を掲げた。これは、企業の振興が国家を発展させるという、トヨタと共通する思想がある。

二代目経営者の佐治敬三は、研究所を設立したり、雑誌を刊行したりするなど、経営には事業と道楽が混在していた。また、文化的側面も重視した。この経営方針は、仕事だけでなく道楽にも精を出す、船場の旦那衆の生き方とも共通する。

 

阪急電鉄(現阪急阪神ホールディングス)

鉄道には多額の建設資金が必要なため、私鉄では特に採算が重要である。このため、鉄道の起点は、通勤通学客や買い物客が見込める都市の中心部となり、終点は参拝客が来る神社仏閣となることが普通であった。だが、阪急電鉄の終点には神社仏閣がなかった。

創立者の小林一三は、少年期より芝居や演劇に傾倒した。小林一三には、宗教の影響はみられず、演劇が強い影響を与えた。ただし、芝居を見る観客の様子を詳しく観察するなど、興行主としての意識も持っていた。

こうした要因が、阪急電鉄終点の宝塚における、宝塚歌劇団の成功に結実した。また、小林一三は「乗客は鉄道が創造する」ということばを残したが、沿線の多面的な開発に取り組んだ。
沿線の土地を住宅地として開発し、中産階級に分譲した。これは住宅地販売の収益に加え、乗客増の戦略であった。ほかにも沿線には、劇場、百貨店、遊園地、動物園や植物園等を設立し、学校を誘致した。
これにより、沿線はステータスの高いイメージが喚起され、エンターテイメント化された。

このような経営哲学は、小林一三の文学青年としての経歴、派手に遊んだ経験から生まれたものである。また、自ら多数の脚本を書くなど、歌舞伎などの伝統的演劇から近代演劇へと、演劇界を刷新しようという考えも存在した。

 

セゾングループと無印良品

西武鉄道創立者の堤康次郎の事業は分割され、鉄道事業(西武グループ)は堤義明に、流通事業(セゾングループ)は堤清二に受け継がれた。

堤清二は経営者でありながら、詩人で文学者という異色な存在である。経営者は組織を運営する人間であり、文学者は組織から離れた人間である。二つの矛盾した立場が、一人の人間に共存していることになる。

堤清二は日本共産党に入党していた経歴を持ち、共産主義から受けた影響も少なくない。一貫してソ連やロシアへの関心を保っていた。

これらの思想的背景が、美術館、書店、出版、文化事業に特徴を与えた。堤清二は消費社会であるアメリカや日本に批判的であり、商品を記号として消費することへの批判が、奢侈な商品の対極となる、反体制的な無印良品を生み出した。

また、パルコという店舗において、周囲の空間、街全体を舞台として仕立て上げることをめざした。

しかし、堤康次郎であれ、息子の義明と清二であれ、だれも一度も西武沿線に住むことはなかった。これは自分の開発した沿線に居住し、墓もある小林一三や五島慶太とは異なる。
康次郎は経営者であったが、衆議院議長まで務めた政治家であり、本業は政治にあったかもしれない。清二の事業も文化的側面が強く、経営者より文学者としての意識を強く持っている傾向がある。

結局、沿線の住みやすさなど、客(人間)には強い関心を持たず、自分の人生を懸けて経営にのめりこむことはなかった。自分の事業に没入することはなかった。西武グループやセゾングループにおいて、経営自体が他人事という印象はぬぐいがたい。

 

ユニクロ(ファーストリテイリング)

柳井正は1949年生まれで、典型的なノンポリ学生として学生生活を送った。同年生まれの村上春樹の小説世界では、音楽や料理は詳しく描写されるが、ファッションについてはほとんど描かれない。これはカジュアルが徹底しているので、描かれるものがないためであるが、このカジュアルさの徹底ぶりは両者に共通する。

柳井正は学生時代、そして卒業後もしばらくはぶらぶらしていた。(短期間ジャスコで働いている。)しかし、父の洋品店を引き継いで猛烈に働くと、商売の面白さを感じるようになった。仕入れ、品出し、在庫管理、接客、経理、社員の採用、掃除にいたるまで、店の業務のすべてを経験した。

店舗経営の経験から、柳井正は「自分で考えて自分で行動する。これが商売の基本だと体得した。」という経営哲学に到達した。

しかし、衣料品店の経営について柳井正がすべてを知り尽くしたことは、ユニクロ社員のだれも、柳井の知識や経験に対抗できないことを意味する。

ユニクロは試行錯誤の結果、オリジナル商品を製造委託し、生産管理のみ自社で行い、展開する自社の店舗網で販売する、というビジネスモデルに至った。これでカジュアルウエアのトップブランドの地位を確立する。

ユニクロは製造や物流は外部委託しており、外部に頼らないのは販売のみである。これは洋品店から発展したユニクロにとって、必然であった。したがって、柳井正は店長を重視することになる。ユニクロ社員は入社後、かなり早い段階で全員が店長となる。

店長は責任が重大で、仕事の結果は売上や利益として数字ではっきり表れる。これは相当な重圧である。社員に店舗を運営させることによって、柳井正は自身と同様の実践をさせようとしている。社員が実際に店長にならなければ、身に付かないことであり、究極のOJT(on the job training)といえる。

しかしこれは、柳井正が社員に求める水準が、過去の柳井自身のレベルであることになる。柳井が店長に求めるのは、サラリーマン的な精神ではない、自立した経営者のマインドと行動である。ただ、これほどの人材であれば、独立しているであろう。つまり、ユニクロ社内に柳井の求める人材は存在しない。ユニクロの経営の仕組みは、柳井の経験から柳井が独力で築き上げたものであり、柳井以外には遂行できない。

 

書評

宗教教団の研究は難しいそうです。教団は外部に対し閉鎖的であり、内部の調査は困難です。調査が許可されても、信者のインタビューや資料にはバイアスがかかっており、客観的な事実の情報が得にくいとのことです。
企業研究にも同様の問題はあり、私は本書で取り上げた企業の社員ではないので、実際どうなのかは、よくわからないところもあります。

しかし、綿密な調査と事実の論理的な積み上げから、宗教教団を研究することはできますし、企業の研究も可能です。企業の経営哲学を知ることもできるでしょう。

現在の日本で、消費者に受け入れられ成長している企業が、特徴のある経営哲学を持っているとすれば、それは日本社会の何かを表現していると考えられるでしょう。日本社会が持つ何かが、その企業の経営哲学と呼応しているのだと思います。
(書評2013/06/16)

「ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛」 リチャード・ブラント(著)

世界的な大企業となったアマゾンと、その創業者の本質を探る1冊です。

おすすめ

★★★★★☆☆☆☆☆

書評

ブログ書いたり、ネットでお金稼ごう的なことを考え始めたころ、日経の書評で読み、あーアマゾンの創業者の本かと思って買いました。創業者ジェフベゾスの半生と、アマゾン創業前後から今日までの伸長をコンパクトにまとめてます。まあまあ面白いんで、立ち読みしたりレビューみて気に入れば、買ってみてもらってもいいかな。取材量は多いと思うんですが、著者が冗長にならないよう適切に記述しているので、サクサク読めます。

私は今までネット業界にあまり興味なかったのでわからんのですが、アマゾン創業当時、事務所ではドアを横倒しにしてそこに脚をつけ、机として使っていたとか、そういうエピソードって有名なんですかねー。まあこれは、お金ない状態から起業したとか、会社の資材にまったくお金をかけず、初期投資はすべて顧客に還元しているという宣伝効果を狙ったものらしいです。

あと、やはりベゾスは切れ者なんだという当たり前の感想。高校は首席、大学は名門(さすがに大学では首席ではない)、引く手あまたの誘いを断って就職、自分の将来のキャリアを見定めての転職、25才か26才で副社長、そこでもめちゃ有能。インターネットでの書籍通販の可能性をいち早く見抜き、創業。超強力な攻めの姿勢の事業拡大。

うーん。今後どうなるんだろ。アマゾンは、世界に帝国を築く可能性のある企業とは思っています。アマゾン株少額保有してます。あーITバブル崩壊直後に買ってればなー。無理だけど。
(書評2013/02/13)