「SEO対策のためのWebライティング実践講座」 鈴木良治(著)

Pocket

 

多くのユーザーを集めるWebコンテンツをつくるには?
感覚ではない、結果に基づいた原則によるSEO対策を教えます。実践できる効果的なWebライティングで、高い成果を上げましょう。

おすすめ

★★★★★★☆☆☆☆

 

対象読者層

効果的なWebコンテンツを、継続的に量産したい人。

 

要約

・紙の世界と違い、Webの世界はまだまだ研究が進んでいない。本書では、Webの世界に最適な、感覚に頼らない再現性の高い方法論を提示する。そして、提供する情報を持たなくても、高い成果を上げるWebコンテンツを常に作成できる実践的なやり方を伝える

 

SEOの基礎知識

・Webサイトには、ほとんどの人が検索エンジン経由で来る。検索結果の上位でなければクリックされない。SEO対策は、効果の高い集客の手段となる。

・検索エンジン(Google)はオリジナリティを評価する。短期間で最大の評価を受けられるよう、Webコンテンツを検索エンジンに伝えることが大切だ。

・Webサイトは、公開しても半年は評価が高まりにくい。広告を併用するか、不十分なうちから公開する、といった対策がある。

・SEO対策に正解はない。裏ワザではない、検索エンジンの本質に沿った対策が重要だ。

・これからの技術開発は、音声入力をめざしている。これは文脈を検索することであり、Webコンテンツは意味のある文章として認識されていくことになる。コンテンツの内容が重要になると予測される(キーワードの重要性は低下、外部リンクの効果も低下)。オリジナリティの高いコンテンツを作成することをめざす。

・Webサイトは、すべてのページがスタートページになる可能性がある(ユーザーは目的のページに直接来る)。そのため各ページで内容が完結し、ページ内でユーザーに目的の行動を終えてもらうように設計する

Webコンテンツを作成するときの2つの目標。
①ユーザーを集める。(SEO対策が重要)
②目的の行動をとらせる。(画像やレイアウトなど見た目が重要)
SEO対策と見た目は、トレードオフの面もある。

Webの世界では、(無料の)便利なツールを使うことで、個人でもオリジナリティのある効果の高いコンテンツを作成できる。

ほかの注意点。
問い合わせフォームを設置して、信頼感を与える。
どの機器やブラウザでもサイトが使えるように、チェックする。
ユーザーを流出させず、サイト内で行動を完結させる。
外部サービスを利用して、利便性を高める。
画像や動画など、状況に最適な表現を選ぶ。

 

Webコンテンツの作成

ライティング作業の流れ。
①ニーズのあるテーマを選び、情報収集し、企画する。
②企画通りに、文章作成
③文章を読みやすく魅力的な形に編集
校正して公開。

企画の6ステップ。
①キーワードの検索件数を見て、ニーズの確認。
キーワードプランナーを利用し、検索件数の多いキーワードをテーマ候補とする。

②テーマに将来性はあるか?
Googleトレンドを利用し、将来性を予測する。テーマに選ぶのは、検索件数が横ばいか右肩上がりのもの。ターゲットがはっきりしていれば、さらに良い。

③キーワードの選定。
ユーザーがこちらの望む行動をとりやすいキーワードを選ぶ。調べもの目的や、いち単語のみの目的不明なキーワードは避ける。ユーザーがアクションを起こしやすいキーワードは、エリア系(場所を指定)、悩み系(解決方法を探している)、購入系(買う意思がある)、緊急系(急ぐ問題がある)。これらは目的や動機がわかりやすい。キーワードの包含関係にも注意する。

④そのキーワードで競合に勝てるか?
Googleのページランクや、ファンキーライバルでチェックする。

⑤話題性があり人気のある内容のコンテンツにする。
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで、関連する質問を調べる。回答数が多ければ人気がある。質問と回答からターゲット像を確認し、コンテンツの方向性の参考にする。

⑥さまざまなところから情報収集。
Webの情報だけではオリジナリティは高くならないし、真偽不明な情報もある。リアルな情報源も必要だ。書店がおすすめ。書籍は内容が正確で、売り場や棚を見れば、人気や話題の傾向もわかる。フリーペーパーも使える。

文章作成の5ステップ。
①伝わりやすい文章構成にする。
まず結論を決める。つかみは、安心感重視なら常識的に、インパクト重視なら常識の反対から始める。

②目的行動を導くストーリータイプを選ぶ。
良さをアピールする、王道の「一般論から各論を展開」。
中小企業や新製品では、特徴に焦点を当て「各論から一般論へ」。
特徴のない商品では「条件を比較して列挙」。

③書き手(自分)の設定を固める。
ターゲットは誰か、自分の知識量やキャラクター、発信者としての立場、これらを考慮して表現を整える。

④表記を統一する。

⑤SEO対策と量の調整。
1コンテンツは、だいたい800~1800文字にまとめる。

編集の8ステップ。
①目的に合う文章量に調整する。
具体例や引用文を追加・削除することで、量を増減する。

②読みやすく伝わりやすい文章にする。
1段落は5行以内、1文は60字以内。重要なことは目立たせる、結論は最初に。

③SEO対策のキーワードを使用する。
適正な出現率で、キーワードを文章中に入れる。

④文章を完成させる。

⑤図表などの画像を追加。
キーワードを含む短文を、代替テキストにする。データ量は小さく。

⑥レイアウトを調整する。
視線の動きに対応させる。

⑦フォントを調整する。

⑧見出しを作成する。
見出しは短くして、強化したいキーワードを入れる。

校正の2ステップ。
①誤字、誤用の訂正。不適切表現の修正。など。

②Webページに反映した形での、SEO対策の確認。

 

キャッチコピーの作成

Webページで重要なのは、検索結果一覧と各ページのタイトル。これに効果的なキャッチコピーをつける。キャッチコピーには、集客およびSEO対策という役割がある。

キャッチコピー作成のポイント。
①ターゲットの立場を考え、ターゲットが行動するように、明るいプラス面から伝わるように書く。

②得になる情報をキャッチコピーに盛り込む。(お金儲けの情報、豆知識などの役立ち情報、限定情報、新着情報。)興味を持たせる表現にする。

③金銭的な情報は、割引、無料、付帯条件のお得さなどを強調する。

④役立ち情報は、ノウハウ、テクニック、術、ポイントなど、手っ取り早い裏技的な方法論であることを示す。

⑤限定情報は、数量、地域、期間などでお得感を出す。

⑥ターゲットが明確なら、新着情報で引きつける。

⑦興味を持たせるには、エピソード、質問、理由、方法などの形を使う。

⑧金銭以外で、人を動かしやすい情報。人間関係(承認欲求)、健康、美容、安心、喜び。

 

アクセス解析による改善

Webコンテンツは、PDCAサイクルを回して改善する。Googleアナリティクスを利用する。

・アクセス解析で確認するデータ。
表示順位、表示回数、CTR、平均セッション時間、直帰率、コンバージョン率。

・アクセスデータを見る。SEO対策を行い、キャッチコピーやコンテンツを改善する。A/Bテストなどで効果を比較する。

 

目的別Webライティング

訪問者がランディングページで目的の行動をとるように、ランディングページでアクションを完結させる

ランディングページの基本形。
①問題と解決策の提示。(キャッチコピーを使う、商品を紹介する。)
②アピールポイントを3つ。
③価格や条件を示す。
④今買う動機づけ。(付属品や割引などでお得感を出す。)

・そのほかのページ解説。
サポートページ、会社公式サイト、ビジネスブログ、ショップサイト、ECサイト、アフィリエイトサイト、など。

 

使える無料ツール

・コンテンツの企画や作成、ライティング作業に役立つ、無料ツールの紹介。

・SEO対策に使える、無料ツールの紹介。

 

書評

私は何も考えずに、やりたいようにブログを書いてきました。そのため、基本的なSEO対策が学べる本書を読むと、改善しようかなと思うところがありました。確かにこれは気をつけた方がよいとか、なるほどこれは配慮すべきだとか。前に読んだ「いちばんやさしい新しいSEOの教本」と合わせて、少しは良くなったのでしょうか。

しかし、SEO対策というのは原理的に答えがありません。本書でも指摘されていますが、グーグルにとって検索アルゴリズムは究極の秘密なので、公開されません。したがって、いくらSEO対策と称する行動をとっても、果たしてそれに効果があるのかは不明です。例えば、本書を批判するアマゾンのレビューがあります。SEOに詳しい人が書いているようで、キーワードの出現率は無意味だと言われると、そうなのか、とも思います。

せいぜい私としては、ブログの訪問者にとって見やすく、わかりやすく、読みやすく、興味深く、役立つコンテンツを量産する努力をするのみです。難しいですけど。
(書評2015/08/12)

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA