一般人が手間をかけずに、でも合理的に投資をする方法とは?投資をしない普通の日本人でも、楽に資産運用ができる本です。
おすすめ
★★★★★★★☆☆☆
対象読者層
投資に関心がなく、面倒なことは嫌な一般人。
合理的に資産運用したい人。
難易度は、運用方法については入門書から初級者レベル、その理由の解説は初級者レベルと思われます。
要約と注目ポイント
一般人にとって、資産運用は仕事でも趣味でもない。普通の人のための、極めて簡単で、現実的にはベストに近く、かつ無難な運用方法を提示する。
超簡単 お金の運用法
①当座の生活に必要なお金を、普通預金で持つ。
②残りの全額で、株式に投資するETFを、日本株4割と外国株6割の比率で買う。
(③全額株式が怖ければ、リスクをとることに気が進まない分のお金を、10年満期タイプ個人向け国債かMRFに投資する。)
④大きなお金が必要になったら、②または③を躊躇なく部分解約する。
⑤健康保険・国民年金・(必要なら自動車保険・火災保険)に必ず入る。
⑥必要なら、安い死亡保障の生命保険(定期保険)に入る。
⑦確定拠出年金は利用する。
運用法の解説
買うETFは、日本がTOPIX連動型上場投資信託(コード1306)か上場インデックスファンドTOPIX(コード1308)、外国がiShares MSCI KOKUSAI Index(ティッカーTOK)。
コストが高くつくので、借金はしない。①の普通預金は借金を避けるため。
長期投資では、株式が有利だ。②の比率だと、リスクが小さくなる。
ペイオフを考慮して、③では国債とMRFとした。1000万円以下なら、銀行預金も保護される。
④の通り、解約は躊躇するな。現在の判断が重要で、過去の買値は関係ない。
保険は付加保険料(手数料に該当)が非常に高い。不要な保険には入らない。高額療養費制度があるので、健康保険には入る。自動車を運転するなら自動車保険、自分が火元になることを考えるなら火災保険にも入る。
税金からも保険料が払われることや、確定拠出年金利用の条件でもあるので、国民年金にも入る。(⑤と⑥)
確定拠出年金には、非課税のメリットがある。運用資産全体のうちの一部として考え、手数料も考慮して選ぶ。(⑦)
そのほか、投資の考え方のポイントや注意点など。
書評
さすがという内容。読後感はすっきり感です。なんかすっきりします。
投資に興味がなく手間もかけたくない一般人が、実行可能で、かつ、並み以上のパフォーマンスも期待できる手法を考察しています。ほかに、投資にまつわる注意事項も、簡潔で分かりやすく解説しています。
しかし逆説的ですが、投資について自分で勉強して、試行錯誤しながら実行した経験(少し損もしたりとか)を持つ人でないと、本書のシンプルさの凄みが実感できないという。
(書評2013/06/09)