「金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術」 竹川美奈子(著)

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NISAよりさらに有利とされる、確定拠出年金の入門書です。
題名が合っていないので損をしている、隠れた良書です。

おすすめ

★★★★★★★☆☆☆

 

対象読者層

確定拠出年金を利用して、老後のためのお金をつくりたい人。
難易度は入門書~初級者向け。

 

要約と注目ポイント

少子高齢化が進んでいるが、公的年金は賦課方式で運営されているため、公的年金の将来は厳しい。現役世代の年金保険料は上がり、支給開始年齢は遅れることが見込まれる。増税や社会保険料負担増も想定される。

ただし国民年金は、生きている限り受け取れることと、障害基礎年金や遺族基礎年金という機能もあるため、加入はしておくこと。

このため、公的年金のほかに自分で老後資金を準備する必要がある。少額でも早い時期から長い期間にわたり、資金づくりをしていくことが大事だ。年金資産は、税制面で有利な方法で運用すること。

確定拠出年金は有利な制度なので、できるだけ利用しよう。長期では運用効率でかなりの差が出る。

国民にはあまり利用されていませんが、確定拠出年金という有利な制度があることを知っておきましょう。

確定拠出年金とは

確定拠出年金という制度がある。自分で掛け金を払った分だけ、所得税と住民税の節税効果がある。最低でも所得税は5%、住民税は10%かかる(2012年12月時点)ので、金融商品を購入した分の15%は確実にリターンが得られる。運用中の運用益も非課税となる。

確定拠出年金は年金の2階と3階部分にあたり、企業型と個人型がある。企業型では会社が出す掛け金に、自分で追加する。個人型では自分で掛け金を決めて、毎月積み立てる。

両者とも、預金や保険、投資信託などで運用する。自分で運用した資産は、60歳以降に一時金か年金形式、もしくはその併用で受け取る。

節税効果は大きいです。運用益も非課税なので、長期で効いてきます。

資産運用の基本

金融機関の勧めてくる不利な金融商品を買わないこと。

変額個人年金保険はコストが高すぎる。定額個人年金保険は実質利回りが低く、インフレに弱く、途中解約も不利。個人年金保険の節税効果は、確定拠出年金に大きく劣る。外貨建て個人年金保険は為替リスクが大きい。毎月分配型の投資信託は、長期の資産運用に向かない。

個人型の確定拠出年金

本書では主に個人型について説明する。

個人型確定拠出年金に入れるのは、自営業やフリーランス、勤務先に企業年金制度や企業型確定拠出年金がない会社員。3600万人以上いる。

60歳まで引き出せず、受給開始は60~70歳の間で選択する。掛け金は月額5000~23000円(会社員)、5000~68000円(自営業)。

確定拠出年金は掛け金が所得控除の対象となるほか、運用益も非課税で、受給時にも税制上の優遇がある。受給時の一時金なら退職所得控除(長期間納めた方が有利)、年金形式なら公的年金等控除がある。

確定拠出年金には、障害給付金や死亡一時金もある。有利な金融商品が利用できることもある(預金利率が高い、投資信託の手数料が安いなど)。特に国民年金しか受け取れない、自営業者やフリーランサーは活用すべき。

国民年金だけでは受給額が低くなるので、自営業やフリーランスには、確定拠出年金を併用するのがおすすめです。

個人型確定拠出年金に加入する

自分で金融機関(運営管理機関)を選んで口座を開設する。運営管理機関のリストは、国民年金基金連合会のホームページにある。

①事務手数料(口座管理料)、②扱っている金融商品、③投資信託の保有コスト、の3点を考慮し金融機関を選ぶ。金融機関のホームページやコールセンターから申し込む。

コストと金融商品の実例をあげている(岩手銀行、琉球銀行、スルガ銀行、鹿児島銀行、SBI証券、三井住友海上火災保険)。

口座を開いた金融機関にある金融商品しか購入できないので、はじめによく検討する。長期投資に適した金融商品があるか確認する。

具体的には、①国内株式、②外国株式、③国内債券、④外国債券、⑤バランス型があり、①~④にインデックスファンドがあること。外国株式には、先進国株と新興国株それぞれあると望ましい。運用期間が短ければ、定期預金や保険も確認する。

ほとんどの国民が制度を利用していないのは、知らないことと、自分で調べて申し込む手間があるからだと思われます。お得な制度なので、ひと手間かけても利用しましょう。

資産運用の考え方

確定拠出年金だけで考えず、資産全体で最適化する。運用益非課税を活かすため、確定拠出年金では株式などの投資信託を選び、手元の現金は定期預金などとする。

許容できるリスクを考える。国内外で、また株式と債券で分散投資するよう、ポートフォリオを決める。

定期的に資産をモニタリングして、リバランスする。受け取りの時期が近づいたら、債券、保険、預金の比率を高めていく。70歳までは運用できる。

資産運用の考え方は、他の本でも勉強しましょう。

確定拠出年金の注意点。

積立額は年に一回変更できる。

加入期間が10年未満だと、60歳より高齢でないと引き出せない。

ペイオフでは、確定拠出年金の預金も通常の預金と合算される。

所得税の還付には、年末調整か確定申告が必要。

運営管理機関の変更や、個人型と企業型との移行の際は、一度現金化しなければならない。

現在の取り扱いでは、金融機関を移行するときなどに、やや柔軟性が欠ける点があります。

 

書評

非課税の恩恵が大きな確定拠出年金について、とてもわかりやすく説明しています。確定拠出年金のやさしい解説書はあまり見かけないので、本書は貴重だと思います。

この制度を利用できる人は数千万人いるのに、利用者も本書のような入門書も少ないことは残念です。本書などを参考に、利用できる人は実行に移してみるとよいでしょう。

それにしても、著者の竹川氏は著述や講演などの経験が豊富なためか、文章がとても読みやすいです。そして本の構成も簡潔で理解しやすくなっているので、入門書としては最適と感じます。

ちょっと気がかりなのはタイトルで、こうすれば儲かる的な投機の解説本のような印象を受けます。私はアマゾンのレビューを読んではじめて、内容が確定拠出年金についてだとわかりました。確定拠出年金の入門書であることがわかるタイトルがよかったかな、と個人的には思います。
(書評2014/07/12)

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