「年収1000万円の貧乏人 年収300万円のお金持ち」 伊藤邦生(著)

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著者の経歴は、金融機関で債券取引を行ったあと不動産投資業で独立となっています。お金に働いてもらうという、「金持ち父さん貧乏父さん」系の本です。

おすすめ

★★★★★★☆☆☆☆

対象読者層

入門書~初級者向け。新社会人や、新卒から数年働いているがお金が貯まらない人、投資に興味を持ちはじめたあたりの人が適切かと思われます。あとは不動産投資をやりたい人。

要約

・現代は消費欲求を喚起する社会、欲望を制御し堅実な生活をすること。給料は支給日に一定比率で強制的(自動引き落としなど)に貯金し、まず貯める。

・お金持ちになるには、自分が働いて得る給与以外の収入の道を作る。利子、配当、家賃収入、事業配当などなど。支出以上に常に収入がある状態にする。お金持ちは高い給与ではなく高い不労所得を得ている。

・金融市場は、世界中の優秀な人材が集まる競争の厳しい場。日本の不動産市場は5000万円のアパートや1億円のマンションのレベルだと、素人の市場。融資の問題や情報の不均衡などの理由から参入障壁があり、不動産投資の方が勝つ確率は高い。

・勉強をして、自分で安いか高いか判断ができ、自分に優位性がある(他の投資家より勝る)分野でのみ、投資すること。

・お金持ちになり、お金持ちであり続ける人は、投資力(投資に関する理解力)がある。

・儲かると不特定多数を誘う投資話、金融機関の勧める投信などの金融商品、これらには手を出してはいけない。本当に儲かる話は、他人を誘わず自分が投資しているはず。金融機関は手数料で稼いでいる。

・表面利回り10%程度の物件を、フルローンで購入してはならない。全く利益は出ない。

・感情を制御し、規律を保ち忍耐し、リスク管理を行わなければ投資で勝ち続けられない。

書評

おおむね内容は妥当かと思われます。ただ、金融市場はゼロサムゲームと述べていますが、為替取引はともかく株式市場すべてをそう断じていいかなあ?分散投資に否定的な主張(ETFの優位性を指摘している記述はある)もありますが、良いところもあるのでは?これらの点は少し気になりました。要旨を読んで、もっと詳しく知りたいと思ったら本書を読んでもよいかと。また筆者は現在、不動産投資業をしているので、その分野に興味があれば参考になる箇所があるかもしれません。
(書評2013/02/16)

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