損失を限定し大きな利益を狙う手法、eワラントの入門本です。
おすすめ
★★★★★☆☆☆☆☆
対象読者層
eワラントをゼロから始める人。
要約と注目ポイント
eワラントとは
数千円という少額から投資でき、高レバレッジなので、投資額に対して大きな利益が狙える。
値上がり(コール)でも値下がり(プット)でも、儲けるチャンスがある。
損失は投資額に限定される(追い証はない)。
投資対象が多い(個別株や株価指数、商品、為替など)。
手数料がない(買値と売値に差額がある)。
プットで保有資産のリスクヘッジができる。
eワラントは申告分離課税。FXや先物取引との損益通算が可能。
eワラントを始めるには
①eワラントを扱うネット証券で口座を開設する。(現在はSBI証券と楽天証券。)
②何に投資するか決める。(個別株、株価指数、為替、商品、バスケット。eワラント、ニアピン、トラッカー。満期日、権利行使価格。コール、プット。などの選択肢がある。)
③1000ワラントから買ってみよう。満期前に売るのもあり。
eワラントの基礎知識
コールとプットの説明
コールでは、満期日に参照原資産価格が権利行使価格を上回れば、利益になる。
プットはその逆となる。
満期日の受取金額 = (参照原資産価格と権利行使価格の差) × 保有ワラント数 × 1ワラント当たり原資産数
投資対象の説明
初めてなら、満期日が遠いレバレッジが低めな日経平均にしよう。
そのほかの例として、NYダウ、為替、日本企業、バスケット、商品。ランキングにも注目すべし。
用語の説明
原資産、ワラントレバレッジ、スプレッド、時間的価値、本源的価値、プレミアム、デルタについて。
ニアピンについて
日経平均株価もしくは米ドルの価格を予想する。日経平均は上下250円の範囲、米ドルは上下2円の範囲に収まればよい。
1ワラント当たりの満期の受取額は、
日経平均の場合 = 100円 - (ピン価格と原資産価格の差) × 0.4
米ドルの場合 = 100円 - (ピン価格と原資産価格の差) × 50
となる。
レバレッジトラッカーについて
中長期で原資産の値動きに連動するeワラント。
レバレッジトラッカーは、原資産の変動率ではなく変動幅に連動するので、原資産が上下を繰り返しても値動きから乖離しない。(レバレッジのかかったブルベア型ETFは変動率に連動する。)
1ワラント当たりの満期の受取額は、
プラス5倍トラッカーの場合 = 7円 + (原資産価格と権利行使価格の差) × 1ワラント当たり原資産数 × 5
マイナス3倍トラッカーの場合 = 5円 + (権利行使価格と原資産価格の差) × 1ワラント当たり原資産数 × 3
となる。
なお、1ワラント当たりのレバトラ価格が2円を下回ると新規販売停止になり、1円以下になると自動的にロスカットされる。
シミュレーターの使い方
シミュレーターの使い方について。
相場予測別のeワラント投資法
①強気 → コール型。
②やや強気 → インザマネーのコール型か、プラス5倍トラッカー。
③横ばい → ニアピン。
④やや弱気 → インザマネーのプット型か、マイナス3倍トラッカー。
⑤弱気 → プット型。
書評
150ページほどの字数の少ないペラペラな本なので、それほどおすすめできませんが、eワラントの基本事項はわかります。
eワラントの本はあまりないので、買って損したとは思っていません。eワラントが初めての人には、とりあえず勉強になります。
本書ではeワラントを、少額から投資を始める初心者にも適した金融商品としています。また、難しいことがわからなくてもOK、相場の上下が予想できれば儲かります的な本です。
そういった解説はどうかと思いますが、まあいいです。私がeワラントに求めるのは投機(ギャンブル)であり、割り切ってやりますので。私もアベノミクスバブル崩壊前に、売りに賭けたい人間なので、同様の低いレベルです。
レバレッジトラッカーは、原資産の変動幅に連動するということを初めて知りました。レバレッジの効いた指数連動型ブルベアファンド(ETF)は、上下に振れると指数から乖離してきます。損になるので長くは持てないなと思っていたのですが、こういう商品もあったのですね。
eワラントには多くの商品がありますが、その裏にはオプションが埋め込まれています。私にはオプションは難しく、利益を出すには勉強と研究が必要になりそうです。
(書評2015/03/04)
