「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」 メアリー・バフェット/デビット・クラーク(著)

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言わずと知れた投資家バフェットの、銘柄選択の考え方を紹介する本です。バフェット自身に著作はないので、他人が書いたバフェット本は、内容が妥当かは読者が判断しなければなりません。

おすすめ

★★★★★★☆☆☆☆

対象読者層

株式に長期で投資したいと考える人。長期投資による複利効果で、10年後20年後に向け資産を大きく増やしていきたい人。難易度は初級者向けと思われます。

要約

・投資家の多くは短期の視点しか持っておらず、好材料で買い、悪材料で売る。バフェットは長期の視点で考えることにより、投資で大成功した。

・株式市場は、ごく一部の消費者独占型企業と、その他大多数のコモディティ型企業からなる。バフェットは、消費者独占型企業にのみ投資をする。

・消費者独占型企業とは、消費者が商品(サービス)を選ぶとき、その企業の商品しか選択の余地がないほど、圧倒的なブランド力などの価値を持っている企業である。世界中どこの飲食店や小売店に入っても、コカコーラがあるような状況は、コカコーラ社が消費者独占型企業であることを示す。消費者独占型企業は、高い利益率で安定した利益をあげ続ける。

・コモディティ型企業とは、過当競争の業界にあり、売上高利益率やROEが低く、業績が安定しない企業である。

・安値で買うことが、投資収益率を高める。

・優良企業でも、株式の買い場のチャンスは訪れる。相場全体の下落・暴落、景気後退、その企業の一時的トラブル、構造的変化である。下落した株価から、その企業が立ち直れるだけの力があるかをよく見極めよ。再度好業績を取り戻すと確信したら、力強く買い向かえ。

・消費者独占型企業の期待収益率を、10年程度先まで予想してみる。そのうえで国債の利回りと比較して、投資効率を評価せよ。本書の中では実例に基づき、投資収益率を簡便に計算で予測したり、結果を検討している。

・高ROEの企業が、利益を内部留保として再投資することで、投資収益率が高まる。

・自社株買い戻しは、株主の富を増やす。

書評

学問的な理論ではないですが、実戦的で明確な理論です。一人の投資家の考え方なので好みは分かれると思いますが、ともかく世界で最も成功した投資家の理論です。株式で長期投資を行う人は、知っておくべき内容と思われます。いろいろな情報が飛び交い、目先の変化に惑わされそうになったときは、基本を思い起こすのがいいでしょう。優良な銘柄の株式を安く買い、利益が拡大し株価が上がる間、持ち続ければいいのです。
(書評2013/03/09)

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