当代随一の投資家バフェットに学ぼうという本です。バフェット自身に著作はないので、他人が書いたバフェット本は、内容が妥当かは読者が判断しなければなりません。
おすすめ
★★★★★☆☆☆☆☆
対象読者層
バフェット本は欠かさずチェックしたい人、投資本をとにかく読みまくりたい人、あたりかと。
要約と注目ポイント
買う株の選び方
過去10年程度、利益は安定しながら増加する傾向か。ROEは12~15%以上、PERは10~15倍以下、売上高純利益率10%以上の株式を買うのが望ましい。
自社株買いをしたり、経営者・役員・従業員が自社の株を買っていることが望ましい。ストックオプション制度はない方が良い。
他社より競争力で明らかに勝っているか。インフレ時にも価格を上げて、利益を確保できるか、考えてみる。
その会社の事業内容を理解できれば、投資しても良い。
設備投資や研究開発費は、少ない方が良い。
労働組合が、経営側と協調的であることが望ましい。
経営陣は誠実であること。
年間利回りは20~30%を目標にする。
過大な債務はないか、確認する。
最後に著者が、日本株の9銘柄をあげて、具体的に検討している。
書評
難易度は初級者向けレベル。バフェットの考え方を、日本株に応用しようというのが売りでしょうか。他のバフェット本と、内容は(当然ですが)それほど変わりません。
ただし、バフェットをネタとしながら、著者の投資哲学が、かなり前面に押し出されています。バフェット本を何冊か読んでいる人、投資の勉強を真面目にやっている人には、本書から新しく学ぶところは特に無いかと思われます。
あと、年間利回り目標を20~30%としていますが、普通の人がめざす利回りとしては異常と感じます。継続的にそのような利回りを得ることは、ほぼ不可能と思われるので、もう少し現実的な目標を設定すべきと考えます。
(書評2013/03/20)