「大金持ちの教科書」 加谷珪一(著)

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お金持ち特有の思考と行動原理を明らかにした、ベストセラー「お金持ちの教科書」。本書はその続編であり、お金持ちになるための普遍的な考え方や、時流の見方を解説します。

おすすめ

★★★★★★★☆☆☆

 

対象読者層

お金持ちになりたい人。

 

要約と注目ポイント

儲けの才能を持たない普通の人がお金持ちになりたいなら、お金持ちの普遍的な考え方や、時代の流れを見抜く方法を学ぶ必要がある。

本書では、お金持ちになるための方法と必要な能力、精神性を論じる。また時代の見方、イノベーション、日本の今後についても考察する。

 

お金持ちになる方法

お金持ちになる方法は、①高給をもらう、②事業を行う、③投資する、しかない。超高給取りはほとんどいないので、仕事をしながら、事業、投資、副業を組み合わせるしかない。

資本主義社会では、投資家(と経営者)が利益の大部分を取る。最も稼げるのが、自分で投資して自分で経営するオーナー経営者である。

事業で稼いだお金を再投資せよ。

お金を儲けるには、不特定多数から広く浅く集めるか、身近なところから搾取するかの2通りがある。

節約は重要。お金持ちの言う節約とは、事業や投資にかかる出費を最小限にすることだ。

速くお金を儲けるには、借金によるレバレッジ効果が必要となる(特に不動産業)。

などなど‥‥

非常に実践的で、合理的な方法論です。このような思考は、誰かが教えてくれることは基本的になく、自分で学ぶしかありません。そういった意味でも貴重な教えです。

 

お金持ちになるための能力

天賦の商才を持つ人もいる。そうではなかった多くのお金持ちは、野心を持ち、努力し、試行錯誤を続けた。

学歴ではなく、「頭がいい」ことは必要。お金儲けのセンスも必要。

極限まで努力したあとで、運が重要となってくる。未開拓の世界では、ルールが定まっている既存の世界での「実力」を超えるものが必要となる。

などなど‥‥

 

お金持ちになるためのメンタリティ

必要なときに、果敢に素早くリスクを取る。

世間一般のお金の価値観から脱却し、お金に対し中立的に行動せよ。

「すべき」や「であるべき」ではなく、合理主義に徹する。

などなど‥‥

教訓となる事例がたくさんあります。身につけるべき能力やメンタルとして、目標になります。

 

時代の見方

好景気のときに、格差は拡大する。実は不景気の方が、格差は縮小する。お金持ちになりたいなら、景気が拡大するタイミングを絶対に逃してはならない。

経済の成長は、資本、労働(人口)、イノベーション(生産性)で決まる。日本は労働力人口が減少し、イノベーションは停滞している。人口動態を見ることは、将来を考えるために必要だ。

お金の総量が増えると、経済成長を促進したり、バブルを発生させたりする。資本が過剰となっている現代では、いろいろなところでバブルが生じている。お金持ちになるためには、次にお金が向かう先を読み、バブルを利用すること。

などなど‥‥

 

イノベーション

イノベーションが起きると、お金儲けのチャンスが生まれる。変化に対応できないと、富を失う。

社会の動き、登場してくる製品やサービスを注意深く見続けていると、大きな動きは予測できる。

お金(通貨)は共同幻想である。ビットコインには、金本位制や金融マーケットの覇権争いという背景がある。

ロボット(人工知能)の高度化が、人間の仕事を奪う。工場の製造現場だけでなく、ホワイトカラーの仕事でも単純作業はロボットが担うようになる。

などなど‥‥

 

将来の日本でお金を儲けるには

日本の将来では、

人口が減少し、若年労働者が不足する。
都市部に人口が集中。
共働きが普通、働ける限り生涯働く。
仕事の外注化。ブルーカラーは不足し、ホワイトカラーは余る。
脱工業化し知識産業化の時代になる。
知識産業化とは、個人情報をすべて収集すること。
個人情報を集めれば、行動などが予測できる。
‥‥
といったことが予想される。

そこからお金を儲ける方法、資産を守る方法を考察する。

これからの時代の流れを読み、イノベーションが社会をどう変えるか考え、日本の将来を見ていきます。そこから自分はどう行動すべきか、とても参考になります。

 

書評

かなり良いです。教訓になる話、勉強になる解説が充実しています。貧乏人の私が評価するのも微妙ですが、良い本です。

前作の「お金持ちの教科書」は、割と間口を広くとっていました。それほど経済やビジネスに関心がなくても、お金持ちってどういう人だろう程度の読者でも、受け入れていました。ただ著者が上級編と述べるだけあり、本書はお金持ちになるための方法論が直球勝負です。

お金を儲けるためには、合理的な思考が必要です。ありのままの現実を、直視しなければなりません。私が漠然と不思議に感じていたいくつかの事象を、説明してくれていたので勉強になりました。(以下のさわかみファンドの例など。)

事象のひとつとして、儲かるビジネスモデルがありました。著者は、儲かる事業のモデルを2つに分けます。1つはブラック企業的なモデルで、身近な弱者から搾取します。ただ実は、搾取モデルは大きな利益にはならないと述べます。弱者はあまりお金を持っていないからです。

日本は搾取モデルの事業者の方が多いのですが、それは非合理な市場が存在するからでもあり、搾取モデルは参入障壁が低いからでもあります。

消費者のニーズを汲み取った、不特定多数から広く浅くお金を集められるモデルの方が、大儲けできます。著者はこのモデルを薦め、消費者に魅力的なサービスとして「見える」ことが、きわめて重要だと説きます。

この例として、グーグルのサービスがあります。グーグルはいいのですが、そのほかに、あるファンドマネージャーの例も挙げます。本文中で実名は出ていませんが、私が推測するに、多分さわかみファンドです。

さわかみファンドは、短期的な市場変動を狙わず、優良な日本企業に超長期で投資することで利益をあげるとしています。このような長期的な視点の投資が、会社にも投資家にも日本社会にも利益をもたらすのだと訴えます。これが実現するなら、確かに美しい物語です。

ただ私は昔から、さわかみファンドは手数料が安くなく、パフォーマンスもあまり良くないので、どのあたりが長期投資に向いているのかさっぱりわかりませんでした。このパフォーマンスなら、手数料が格安の株式インデックスファンドを買うべきだと思っていました。

しかしさわかみファンドは、(一般大衆が優良だと思う)日本企業への長期投資が、すべての人の利益になるという、美しい物語、コンセプトを売っていたのでした。それも消費者が大歓迎する形で。このようなビジネスが強いということです。

このような感じで、時代の動きの読み方、リスクの取り方など、大切な事柄が次々と解説されています。前著と比べると、とにかくお金持ちになるための探求心が強く表れています。まずは小さくてもお金が稼げる事業をつくりたいと、あらためて考えさせられた本でした。
(書評2015/06/28)

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