投資を始めるあなたが年始に読むべき本 第3回 安定運用編

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投資と投機の違いは何か

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第1回の家計編、第2回の資産配分編をこなし、投資の用意ができました。

今回は、投資を始めたばかりの人に適した、標準的な安定の投資を説明していきます

(残念ですけど、「安定の」という言葉は、別に損をしないことを意味しません。投資の方法として確立していて手堅い、という意味です。)

その前に、ちょっとだけ投資と投機の違いについて、私の考えをお話しします。

 

投資とは、事業にお金を出して利益の一部をもらうこと

投資とは何らかのビジネス・事業に出資して、その事業から生まれた利益の一部をもらうことだと、私は考えています。

例えば、株を買うというのは、その会社の所有権の一部を買うということです。

株を買うことで、その会社が行っているビジネスの権利の一部を持つことになります。そして、そのビジネスを続けることで発生する利益を、権利の分だけもらいます。

不動産投資など、その他の投資も同じです。

オフィスビル、マンション、ショッピングモールなどの不動産にお金を出して、そこから生まれる賃料や売却益をもらうのが投資です。

 

投機とは、自分で資産を売買して差益をねらうこと

投資とは、ビジネスにお金を出して参加して、利益の一部をもらうものだと言えます。

それに対し投機とは、自分の裁量(考え)で資産を売り買いして、その差額から利益をあげようとする行為だと思っています。

例えば、株を買うにしても、インバウンドとかロボットとか人工知能とかバイオとか、流行りの株が急激に上昇すると自分で考えて、パッと買ってサッと売る、みたいなのは投機です。

アメリカの雇用統計が好調と考え、指標の発表時間直前に米ドルを買い、発表3分後に売る、なども投機と考えます。

投機は、ビジネスに参加するのではなく、資産の値動きから自分で売買して利益をあげよう、ということです。

 

ビジネスにお金を出して参加するのが投資、と定義します

これから投資という言葉を使うときは、ビジネスにお金を出して参加し利益をもらう、という定義で進めていきます。

私は別に、投機を否定していませんけどね。

投資が偉くて、投機が劣っているとかは、言いません。

投機で儲けるのはとても難しい、とは思います。

 

それでは、どういうかたちでビジネスにお金を出して参加すればいいか、考えていきます

(おすすめした本は、当ブログ内の書評記事にリンクしています。)

 

最高の投資のかたちとは

投資とは、お金を出して事業に相乗りし、利益の一部をいただく行為です。

次に考えるのは、

どういうかたちで事業にお金を出していくのが良いのか?

ということです。

 

歴史上、最強の投資は株式

何かのビジネスに加わって、そのビジネスの活動から利益をもらい続けるのですから、投資は長い時間がかかります。

少なくとも5年、10年、20年は続けるつもりで、投資を考えます。

働いている間、国民年金でも厚生年金でも掛け金を払い続けます。その掛け金は、20代から60代まで、ずっと投資され運用されています。

自分が投資をするときも、数十年間かけて年金を育てるように、投資をします。

 

数十年という単位で投資を考えていくなら、答えはひとつです。

最強の投資は、株式投資です。

歴史のデータで見れば、株式に投資することが、100%の正解です。

圧倒的な正解です。

 

未来は何が起こるかわからないので、歴史上のデータがそのまま使えると断言できる人は、理屈では存在しません。

だから私も断言できませんが、それでも株式投資が最強と考えます。

 

過去50年、100年、200年。

第一次世界大戦があっても、大恐慌が来ても、共産主義革命が起きても、第二次世界大戦が勃発しても、オイルショックがあっても、高インフレが来ても、デフレが来ても。

株式投資が最強でした。

株式投資をすると、長い目で見れば、年利5~7%ぐらいで資産が増えることが期待できます。

株式投資は、預金や債券に投資した場合に比べ、大きく勝ちます。

長期的に株式投資するのが、最も結果が良い。そのことをデータを使って説明している本が、

「株式投資 第4版」

です。

過去200年(!)のアメリカの株式市場を調べて、平均7%程度の利回りがあったことを示します。アメリカだけでなく、他の主要国も研究しています。

そのほかにも、歴史的に株式投資が最も利回りが高いと教えてくれるのが、

「敗者のゲーム 第6版」

です。

 

広く世界に投資する

株式に投資するのがよいことはわかりました。

では、どのように株式投資を始めるか?

 

分散投資という言葉を、耳にしたことがあるかもしれません。

投資が成功するか失敗するか、結果を考えるときに、リスクリターンという数値を使います。

リターンというのは、年間の利回りと見ればいいでしょう。

例えば、株価が1年で10%上がれば、10%の利回りがあった投資。

株価が1年で5%上がり、配当金として株価の1%分もらえたなら、6%の利回りがあった投資。

リスクとは、値動きの確率と考えます。

世間では危険という意味で、リスク、リスクと言いますが、投資では値動きのことです。

現在の資産の価格から、大きく上にも下にも動きやすい場合は、リスクが大きい。

資産の価格が変動しにくい場合は、リスクが小さい。

と考えます。

 

良い投資とは、リターンが大きくて、リスクが小さいことです。

期待できる利回りが高いけど、資産の値動きは小さめ、という意味です。

 

そんなに都合のいい話はないのですが、ここで分散投資が出てきます。

投資の対象を増やしていくと、リターンの大きさを変えないで、リスクを下げることができます。

投資対象を分散すると、利回りを高めに保ったまま、資産の値動きがゆるやかになるのです。

 

単純な例で言えば、1社だけに投資するより、5社に投資した方が良いわけです。

ユニクロ(ファーストリテイリング)だけに投資するより、ユニクロと三越伊勢丹、しまむら、ライトオン、ユナイテッドアローズの5社に分けて投資した方が、結果は良くなります。

(もちろんユニクロだけが圧倒的に利益が多い、なんて場合はユニクロ単独の方が良い結果になりますけど。)

 

業種内だけでなく、業種ごと、さらには国ごとに分けて投資すると、リターンを高くしながらリスクを下げることができます。

まとめます。

日本だけでなく世界の主要国で、数多くの会社の株式に投資することが、最も良い投資法です。

 

株式投資で何を買うか

いろいろな国の、さまざまな会社の株式に投資する。

ついにここまできました。あと少しです。

何にお金を出して、買えばいいのでしょうか?

 

広く投資できるのは投資信託かETF

いろいろなところに広く投資する、という目的に最も合うのが投資信託とETFです。

ETFは投資信託の変化球みたいなものですから、多くの国の株式を対象としている投資信託を買えばいい、と言えます。

(第2回で投資信託を説明して、おすすめの本をあげました。)

グローバルに株式投資をしている投資信託を探します。

 

手数料と管理費用が安い投資信託を選ぶ

投資信託を調べてみると、とんでもない数が存在します。

試しに、金融情報を提供するモーニングスターで投資信託を検索してみると、5028件ありました。

今探している株式投資の範囲で見ても、日本株式型で771件、国際株式型で1003件の投資信託がありました。

こんなにたくさん、比較して選べないよ!

と思いますけど、ほとんど投資信託は、比較して検討する必要すらありません。

 

購入時の手数料が安い、というかゼロのもの。

毎年かかる費用(運用管理費用とか信託報酬などと呼ばれます)がとにかく安いもの。

信託財産留保額が安いもの。

 

特に、毎年かかる費用が安いものを選びます。

1年あたりの費用が0.5%、1%ちがってくるだけで、10年後や20年後の金額がかなり差がつきます。

投資信託を探すなら、信託報酬を安い順に並べるだけです。

 

選択はインデックスファンド

信託報酬を安い順に並べると、××インデックスファンドとか、××連動型上場投資信託というのがずらずら出てきます。

インデックスファンドとは何ぞや?

と思われるかもしれません。

 

詳しくはおすすめの本を読んでいただきたいですが、簡単に言えば、株式市場などについている価格の指標と、同じように値段が動く投資信託です。

 

わかりやすい例だと、日経平均株価という指標があります。

毎日のニュースで、日経平均が上がった下がった、と言っています。

この日経平均株価は、日本の代表的な225社の株式を集めた指標です。日経平均株価と同じような値動きをする(連動する)投資信託を買えば、この日本の大企業225社の株式に投資したことになります。

 

一例として、「SMT 日経225インデックス・オープン」という投資信託を1万円分買うと、日経平均株価に使われている225社に1万円投資したことになります。

225社が利益を出して株価が上がれば、日経平均株価が上がり、同じ割合でこの投資信託の値段も上がります。
 

なぜインデックスファンドがいいのか

インデックスファンドという種類の投資信託が、なぜいいのか?

信託報酬の安い順に並べたときにもわかりましたが、とにかく費用が安い。毎年かかる費用が安ければ安いほど、長い期間の結果は良くなります。

さらに、安かろう悪かろうではない。

投資信託の過去の成績というのは、調べることができます。それでみると、インデックスファンドの結果は、投資信託全体の平均より上の成績になります。いつもそうです。イメージとしては、成績は中の上か、上の下といった感じです。

 

投資信託を選んでみる

世間的には日経平均株価が有名ですが、実際に日本の株式市場に投資するときは、トピックスという指標の方が使いやすいです。トピックス(東証株価指数)は、東証一部に上場している会社の株価の指標です。

日本の株式に投資するときは、かかる費用を比べながら

「SMT TOPIXインデックス・オープン」などを選びます。

証券口座の扱いにも慣れてきたら、ETFならもっと費用も安いので、

「MAXIS トピックス上場投信」などを買います。

投資の対象は広い方がいいですから、外国も入れましょう。

先進国の株式にまとめて投資したければ、

「eMAXIS 先進国株式インデックス」のような投資信託を選びます。

ETFならもっと費用は安いので、

「上場インデックスファンド海外先進国株式」などがいいでしょう。

世界全体までまとめて投資するなら、

「eMAXIS 全世界株式インデックス」という投資信託を買ったり、

「上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本」というETFが買えます。

 

投資信託はどういう割合で買うのか

世界各国の株式に、インデックスファンドというかたちで分散投資する。

ということで、とりあえず投資の結論は出ました。

あと、どの国の株式にどれだけの比率でお金を割り振ればいいか、というややこしい問題もあります。ですが、その面倒な問題は、範囲の広いインデックスファンドを買うことでどうにかしましょう。

 

私も勉強させてもらっている山崎元氏の本によると、日本とその他の先進国への投資の比率は、ざっくりと半々、50%と50%ぐらいでいいそうです。

これはリスクとリターンの関係から計算した結果です。この結果に従えば、日本株式のインデックスファンドを50%のお金で買い、先進国株式のインデックスファンドを50%で買うことになります。

 

なお注意として、先進国株式のように広い範囲の投資信託では、日本株式を含まない場合と含む場合があります。

含まない方が多いと思いますが、複数の投資信託を合わせて買うときは、説明をよく読みましょう。自分が想定した投資の比率と、ずれてきます。

 

日本と外国、半々で投資してもいいと思いますが、私は長期では日本の株式に弱気です。

世界全体の株式市場の時価総額から見ると、日本はその10%弱です。そのあたりも考えて、私は日本とその他の国の投資比率は、10~20%対80~90%ぐらいでいいかなと思っています

 

株式インデックスファンドを買うのに役立つ本

インデックスファンドで株式投資をすればいい、という結論ですが、勉強できて投資に役立つ本をあげます。

何回か紹介していますが、投資信託とは何か、インデックスファンドとは何か、ということからやさしく解説しているので、はじめに読むといいでしょう。

「一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門」

「新・投資信託にだまされるな! 買うべき投信、買ってはいけない投信」

なぜインデックスファンドがいいのかを、説明した本です。何度も改訂されている、有名なベストセラーです。

「敗者のゲーム 原著第6版」

「ウォール街のランダム・ウォーカー 原著第10版」

日本人が国内で投資するなら何がいちばん良い方法か、という視点で書かれています。普通の日本国民に役立ちます。

「全面改訂 超簡単 お金の運用術」

「全面改訂 ほったらかし投資術」

リスクとリターンの関係、資産配分の理論(投資信託の組み合わせ方)が勉強できますが、やっぱり難しいです。

「資産運用実践講座Ⅰ 投資理論と運用計画編」

「資産運用実践講座Ⅱ 株式投資と金融商品編」 

 

まとめ

投資は、株式のインデックスファンドを買えばいい。

終わり。

終わりですが、でもまだ、いつ、どこで、いくら買うか?という問題が残っています。

次回は資産管理編の予定です。

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