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広告媒体の競争と政治

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(2013年10月に書いた記事です)

第四権力

前回「リクルートのDNA」を紹介しました。

書評では触れませんでしたが、リクルートと新聞業界との関係を述べた部分があります。

リクルートと新聞業界

江副氏が昭和61年(リクルート事件の2年前)に、日本新聞協会で講演をする話があります。

このとき、懇親会の場でリクルートの情報誌が新聞広告の顧客を奪っていると苦情を受け、冷ややかな雰囲気になったそうです。

また、江副氏が朝日新聞の関連会社社長会に招かれて講演したとき、企業の役割として社会貢献と収益を上げて納税することの重要性を強調しました。するとそのあとの懇親会では次のように言われたそうです。

自分たちは長年新聞記者をやってきて人に頭を下げてこなかった、だからなかなか頭は下げられない(頭を下げられないから儲からないという意味)。

これらの体験から、リクルートは新聞業界の不興を買っていると感じたそうです。

その後リクルート事件が起こり、すさまじい批判が巻き起こりました。私は当時子供でしたので、江副という人間はとんでもない悪党で、自民党代議士は金の亡者だ、と思ったものです。

報道機関の矛先

ただ年月がたって、大手メディアや捜査機関の独善性を知るようになると、そんなに悪い人だったのだろうかと考えるようにもなりました。(それにしても新聞記者は、取材対象者に頭を下げないで、どうやって話を聞くつもりなのだろう。)

近年にはライブドア事件もありました。独占的な地位にある既存メディア(大新聞社と在京のテレビ局)は、ネットなどの新規メディアに対し、とても大きな敵意を持っているようです。

リクルート事件の背景に、そういう要素も多少はあったかなあと今ごろ思います。

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